心的疾患は心の病か、それとも脳の病か。これまでの様々な研究を元に医学的な観点からは、脳の病であるとの見解に至っています。双極性障害も同様に脳との関連性について、より一層様々な研究が行なわれています。

双極性障害は、以前は「躁うつ病」と呼ばれていた疾患です。その概念は1850年代には確立されていた疾患です。ここでは、双極性障害と脳の関係について紹介していきます。

双極性障害と脳の関係?機能的な問題が要因!

双極性障害の原因のひとつに、脳の機能的な問題が原因であるとの見解があります。この機能的な問題とは、別名「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンなどの神経伝達物質が機能していない事が確認されています。このセロトニンの機能不全が原因のひとつと呼ばれているのです。

セロトニンとは「睡眠の質」と「精神の安定」に深くかかわっている物質です。このセロトニンが不足する事で、不眠やイライラなどの症状が出やすい状況になるのです。

脳の萎縮が原因のひとつ

双極性障害では、脳が委縮するという可能性もあります。抑うつ状態が強い患者さんには、脳の萎縮が見られる事が確認されていますが、この双極性障害と脳の萎縮についての関連性は、まだまだ明確に判断されていないため、現段階では、あくまでも可能性という事なのです。

幼少期の環境が影響?原因となる可能性も!

双極性障害も、他の心的疾患と同様に、幼少期の環境が影響しているのではないかとの見方もあります。幼少期の過ごし方、親からの愛情を十分に受けていないと、オキシトシンという伝達物質の分泌が阻害され、代わりにコルチゾールというストレスホルモンが活性化してしまいます。その影響で脳細胞がダメージを受けてしまうのです。

オキシトシンの阻害

このオキシトンが阻害されると、記憶や感情を司る海馬が委縮してしまいます。これは、アルツハイマー型認知病にも見られる傾向で、記憶力の低下や判断力の低下などが挙げられます。

生活のリズムが原因?幸せホルモンとの関係!

生活バランスが崩れる事も原因のひとつと考えられます。生活のリズムが狂い、睡眠不足が続くと、脳内物質であるメラトニンの分泌量が減少します。メラトニンの分泌は、精神を安定させるセロトニンの分泌量にも影響を及ぼし、情緒不安定や自律神経を失調してしまうのです。

幸せホルモンの正体

幸せホルモンと呼ばれるメラトニンは、脳内物質の中でも重要な役割を果たしています。三大神経伝達物質のひとつであるメラトニンは、人の感情や精神面、運動機能や睡眠という、人が生活するうえで欠かせない行動を司る細胞なのです。このセロトニンが不足すると、うつの症状が発生したり、精神が不安定になるのです。

情報伝達物質?機能異常が原因との見方も!

双極性障害の発症原因のひとつとして、脳内細胞の中にあるミトコンドリアの機能異常にあるのではないかとの見解があります。ただ、現段階では、このミトコンドリアの機能異常と双極性障害の発症との関係については仮説の段階であり、核心の部分については現在も研究中なのです。

ミトコンドリアとは

ミトコンドリアとは、真核生物の細胞小器官を指します。二重の生体膜を持ち、分裂、増殖を繰り返します。人の身体で言えば、肝臓や腎臓、筋肉や脳といった代謝の活発な部分に多く存在し、細胞質の約40%という重要な役割を占めています。

根本的な原因は?今後の研究成果に期待を!

心的疾患は心の病か、それとも脳の病か。医学的な見地からは、脳の病であるとの見解に至っています。双極性障害の場合、色んな角度から多角的な研究がなされていますが、現段階では、根本的な原因は特定されていません。したがって、薬物療法についても、双極性障害に効く特効薬は開発されていません。

遺伝子が原因との見解

遺伝子が原因ではないかとの見解もあります。双極性障害は、同じ家系での発症率が高く、一卵性双生児では、二人とも双極性障害を発症する確率が高い事が確認されています。ただし、確率が高いだけであって、全ての一卵性双生児が、同じ双極性障害を発症するというわけではありません。その点では、まだまだ解明する余地があるのです。

生育歴が原因との見方

これは、先ほども紹介したとおり、幼少期の生活環境が影響を与えている可能性があるという見解です。ただ、この幼少期の生活環境(生活体験)は、パーソナリティ障害や統合失調症など他の心的疾患を発症する可能性もあることから、双極性障害との直接的な関係は解明されていない状況です。

環境が原因との見方も

ストレスの多い生活環境の中に居た場合、何らかの事象がきっかけで双極性障害を発症する可能性もあります。例えば、会社や学校、家庭内など、人との繋がりによってストレスを感じる時もあります。ストレスは、病気の最大の敵と言われています。ストレス社会に身を置く事が、双極性障害を誘発する原因のひとつであるのかもしれません。

ストレスの可能性ある

ストレスは色んな所に潜んでいます。また、ストレスの感じ方も人によって様々です。双極性障害との具体的な関係は分かっていませんが、日ごろから自分なりのストレスの解消法を準備しておく事が、予防へと繋がっていくのです。

まとめ

ここで、双極性障害と脳の関係についてまとめます。

    <意外と知らない5つのこと>

  • 機能的な問題が要因
  • 幼少期の環境が影響
  • 生活のリズムが原因
  • ミトコンドリアの機能異常が原因
  • 根本的な原因は解明されていない

ここまで紹介したとおり、現段階では双極性障害の根本的な原因は解明されていません。ただ、これまでの研究成果から、脳との関連性が高いという所までは確認されています。

他の心的疾患も同様に脳の神経伝達物質との関係が明らかにされている事から、双極性障害の原因についても、様々な要因が複雑に絡み合って脳内物質に変化をもたらすものであると考えられます。今後の研究に期待したいところです。

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