双極性障害は、以前は「躁うつ病」と呼ばれており、古くから病気の存在が確認されてきました。疾患にかかる男女比の割合で見ると、同じ心的疾患のうつ病の場合、女性の方が男性の約2倍と偏りがあるのに対し、双極性障害の場合は、ほぼ同じ割合となっています。

また、年齢層で見ると発症年齢は20歳代がピークとなっている事から、この点でも他の心的疾患との違いが明らかです。こういった特徴を持つ双極性障害ですが、症状そのものの特徴とは、どんな事なのでしょうか。ここでは、双極性障害の特徴について紹介していきます。

双極性障害の特徴?対極にある2つの感情!

双極性障害の最大の特徴は、躁状態(High)とうつ状態(Low)が交互に現れるという事が言えます。この状態が大きな波となり、気持ちの変動が極端になる事があるのですが、一方、中にはこの波が小さく気持ちの変動も小さいため、発症している事に気づかないケースもあります。

双極性障害に見る型式!Ⅰ型とⅡ型の違いは?

双極性障害には、その波の大きさ(症状の強さ)から「双極性障害Ⅰ型」と「双極性障害Ⅱ型」に分類されます。この割合は生涯有病率で見た場合、Ⅰ型が2%程度に対し、Ⅱ型は8%程度とⅡ型の方が若干多い事が分かります。では、このⅠ型とⅡ型の特徴について紹介していきます。

双極性障害Ⅰ型の特徴

双極性障害Ⅰ型の特徴は、重い躁状態の症状が発生し周囲からもその症状が明確に判断できる程であるという事です。症状が強く発生するため、周囲に対し攻撃的な態度をとったり、無計画に思いのまま買い物やギャンブルといった行動に走ってしまうケースが見られます。

このため、社会生活に支障を来たし、場合によっては入院による治療を余儀なくされてしまうといった事態にもなるのです。

双極性障害Ⅱ型の特徴

双極性障害Ⅱ型の特徴は、躁状態の症状がⅠ型に比べて軽い事が特徴です。ただ、この躁状態の時の症状が軽いため、自分自身はおろか周囲の人も発症している事に気づかない事が多いのです。このまま放っておくと、場合によっては症状が悪化し、他の心的疾患を併発する可能性も出てきます。

逆に、Ⅰ型とⅡ型に共通する事は、うつ状態の大きさは、どちらも変わらないという事です。つまり、Ⅰ型とⅡ型の違いは【躁状態の強さの違い】という事になります。

症状によって分類される!その症状とは?

また、双極性障害は「躁期(躁状態)」、「抑うつ期(うつ状態)」、「軽躁期(軽い躁状態)」とに分類される事があります。これは、治療法に対する分類ですが、先ほど紹介したとおり、双極性障害自体の分類から見た場合「躁期+うつ期(双極性障害Ⅰ型)」、「軽躁期+うつ期(双極性障害Ⅱ型)」という形に分けられるのです。

躁状態の特徴とは

躁状態の特徴としては、①気分の高揚、②多弁、③怒りっぽくなる、④自尊心の増大、⑤眠くならない、⑥食欲の低下、などが挙げられます。特に③の怒りっぽくなる症状ですが、Ⅰ型の場合、他人に暴力を振るう事もある大変危険な症状なのです。

うつ状態の特徴とは

うつ状態の特徴としては、①食欲不振、②摂食障害(拒食症、過食症)、③不眠、④罪悪感や虚脱感、⑤自傷行為、⑥自殺念慮などが挙げられます。③の不眠については、躁状態でも見られる症状ですが、うつ状態の時は、不安感や切迫感から「眠りたくない」、「朝が来るのが怖い」などといった事から来る不眠の症状です。

また、自傷行為や自殺念慮といった症状は、躁状態からうつ状態へ逆転するする際に起こりやすく、自己嫌悪に陥り、自分の存在意義を見失う感覚に襲われた時に、この様な思考になる事が多いのです。

軽躁状態の特徴とは

軽躁状態とは、躁状態が弱い状態で発症する双極性障害の症状です。この軽躁状態は、発症しているかどうかの判断が非常に難しく、一見すると健常者との区別がつかない場合もあります。もちろん、本人の自覚もなく、周囲の人も、その症状に気づかないため、発見が遅れる事が多い症状です。

この軽躁状態の特徴としては、①気分が高揚する、②言葉が流暢になる、③飽きっぽく、話がころころ変わるなど、基本的な症状は躁状態と同様ですが、症状が軽いため、他人に暴力を振るったり、周りを振り回すような行為はありません。

また、この軽躁状態は、双極性障害Ⅱ型に分類されますが、更に軽度の場合は、医学的には「気分循環型障害」と分類されます。ただ、放っておくと、双極性障害Ⅰ型や双極性障害Ⅱ型に進行する恐れがありますので、注意が必要です。

危険な混合期の特徴

双極性障害の症状の中に「混合期」という分類があります。この混合期とは、躁状態と抑うつ状態の症状が、ほぼ同時進行形として現れる症状です。例えば、気分も軽く身体は動けるので、一見すると躁状態の様に思われますが、気持ちの中では焦燥感や不安感といった抑うつ症状を抱えている状態なのです。

実は、この様な混合期の時が一番危険な状態なのです。衝動的に行動してしまう(躁状態の症状)のに、気持ちの中では自傷行為や自殺念慮(抑うつ状態の症状)が溢れているため、つい衝動的に最悪の事態を招いてしまう危険性が高いのです。

躁状態と抑うつ状態とが入り混じっている混合期こそ、周囲の人も含めて十分な注意が必要なのです。

女性に多く見られる症状!その中身とは?

双極性障害の特徴で、女性に多く見られる症状があります。全ての女性患者さんに見られるというわけではありませんが、とりわけ男性患者さんよりも多く見られる症状。医学的にも、明確な原因や疾患との因果関係は確認されていませんが、この女性に多く見られる特徴を、ここで紹介しておきます。

性に対して奔放になる

女性の場合、性に奔放になる傾向が見られます。これは「性嗜好障害」や「性依存症」と似ていますが、双極性障害の患者さんの場合、この症状が見られるのは躁状態の時だけですので、この点が、性嗜好障害や性依存症と大きく違う点です。

躁状態が強く出ている場合、気分の高揚も手伝って周囲の目を気にしなくなる傾向があります。羞恥心よりも解放感や欲求の方が上回るため、この様な症状になるのです。

暴力的な行動が目立つ

女性の場合のもうひとつの特徴は、暴力的な行動が目立ってくる事です。普段大らかな女性や、控えめな女性でも、躁状態が強く出た場合、想像以上の力で暴力を振るったりするのです。普段の行動からかけ離れた暴力的な行動に転嫁した場合、躁状態を疑った方が良いでしょう。

類似疾患?間違いやすい疾患の数々とは?

双極性障害には、その症状から類似した心的疾患があります。例えば、代表的な疾患で言えば「うつ病」や「パーソナリティ障害」です。うつ病は、別名「大うつ病性障害または単極性うつ病」とも言われ、不眠などの症状は双極性障害と大変類似しています。

ただ、決定的に違うのは、うつ病の場合、抑うつ状態が長く続きますが、双極性障害の場合、抑うつ状態は、ある一定期間だけで、時間が経てば躁状態へと変化するのが大きな違いです。

また、パーソナリティ障害との類似している症状としては、感情が不安定になったり、激しい苛立ちや怒り、自傷行為などが挙げられます。この様な症状の時に診察を受けたら、パーソナリティ障害を疑われる可能性もあります。しかし、うつ病と同じく決定的な違いとは期間についてです。双極性障害の場合の、この様な症状は、ある一定期間のみです。

双極性障害の場合、ある一定期間が過ぎれば、やがて逆の症状が発生しますので、ここが大きな違いと言えます。

まとめ

ここで、双極性障害の特徴についてまとめます。

    <覚えておくべき5つの特徴>

  • 双極性障害は2つの感情が交互に現れる
  • 双極性障害には2つのタイプがある
  • 症状によって分類される
  • 女性に多く見られる症状がある
  • 症状が類似する疾患がある

双極性障害の特徴は、その症状によって様々です。また、症状の出方も人によって様々なのです。ただ、先ほども紹介したとおり、混合期の症状が双極性障害の症状の中で最も危険な時です。双極性障害では、躁状態と抑うつ状態が交互に現れますが、実は、そのどちらでもない状態(フラットな状態)という期間が、ほとんどありません。

特に、双極性障害Ⅰ型の場合、躁状態の波が強く出ますので、抑うつ状態に変化した時の精神的なギャップが大変大きいのです。もちろん、大きなギャップが来ないよう、薬物療法で躁状態の波を抑える(穏やかにする)治療法がとられます。

患者さん自身は元より周囲の人も含めて、双極性障害についての特徴を十分に理解しておく事が大切です。

双極性障害の辛さから解放されたいあなたへ

「鬱」と「躁」の悪循環から独力で脱出する「プチ認知療法」

認知療法で双極性障害を克服した人は多くいます。なぜなら、認知療法で自分の考え方を変えることで鬱と躁をコントロールすることが可能だからです。ですが、認知療法を実践するのは簡単ではありません。そこで、認知療法の専門家が作成したDVDを見るだけで実践が出来るプチ認知療法があります。それを実践すると、認知療法を気軽に実践することが出来、結果として、うつを克服することが出来ます。