双極性障害は、他の心的疾患とは違い、躁状態とうつ状態とが交互に現れるという特有の疾患です。そのため、治療法にも他の疾患とは若干違うアプローチを行うのが特徴です。

この治療法には、いくつかあり、その症状や患者さんの状態によっても違いが出てきますが、大きくは2つの柱を中心に治療に当たっていく事になります。

では、双極性障害の治療法とは、どんな治療法なのでしょうか。ここでは、双極性障害の治療法について紹介していきます。

知るということ!治療に対する心構えとは?

双極性障害の治療法を紹介する前に、まずは、その心構えについて紹介します。双極性障害は、患者さんの心(気分)に波があり、その波が大きく変動することにより、躁状態になったり、うつ状態になったりする疾患です。ここで大切なのは、きちんと自身の病について「知る」という事です。

知るという事は、認識するという事です。自身の病について、正しく認識する事は、これからの治療に対しても、真摯に向き合えるという事に繋がります。この事が、治療を始めるにあたって大切な事なのです。

完璧を求めないこと

次に大切なのは、向き合い方です。双極性障害の治療は長丁場です。半年、1年、いや人によっては更に長い期間が必要になってきます。この病とどう向き合うか?それは「完璧を求めない」という事です。

切り傷やすり傷と違い、この様な心的疾患は、ほぼ100%完全に治るという事はありません。70%から80%程度の回復に留まる事が多いのです。ただ、きちんと治療を行って行けば、また元どおりの社会生活を送る事は可能です。完璧を求めてはいけません。完璧を求めるのではなく、病と上手に付き合う事が重要なのです。

客観的に見る習慣を

次に、「客観的に見る習慣をつける」という事です。自身の病の事であれば、どういう時に、どういう症状が現れるのか。その症状は、どのくらい続いていたか。などを、客観的に見られるようになると、今後の再発予防にも繋がりますし、傾向を把握する事で、医師に対しても明確に話をする事が出来る様になるのです。

将来的に考えれば、病の回復を促進するする事にも繋がって行き、少しでも早く社会生活を送れる日が近づくというものです。全ては自身の為、この事を習慣つける様にしましょう。

双極性障害の治療法は?大きく分けて2つ!

双極性障害の治療には、大きく分けて2つになります。ひとつは薬物療法、そしてもうひとつは心理社会的療法(精神療法)です。双極性障害の治療では、この2本の柱を中心とした治療法になります。

薬物療法は、その症状に合った適切な薬による対処療法です。もうひとつの心理社会的療法には4つの治療法があり、それぞれ患者さんの状態に合わせた治療法を行っていく事になります。

薬物療法という治療法

双極性障害においての薬物療法には、2つの目的があります。ひとつは、躁うつの波を穏やかにし、改善へと向かわせる目的。そしてもうひとつは、再発防止に向けて症状を安定させるという目的です。

これらは、気分安定薬と精神安定剤との併用による服用が基本となりますが、場合によっては、抗うつ剤やベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤なども併用する事があります。

心理社会的療法とは?

心理社会的療法とは、①心理教育、②認知療法、③社会リズム療法、④家族療法の4つの治療法の総称です。これら4つの心理社会的療法も、双極性障害の治療にとっては大切な治療法であり、医師や医療従事者が患者さんと直接向き合って治療を行なえる唯一の手段なのです。

心理教育の重要性は?

心理教育とは、患者さん自らが疾患について正しい知識を身につけるために行われる治療法のひとつです。これは、患者さんにとって重要な治療法であり、この治療法によって自身に起こっている症状や疾患の原因を認識できるようになれば、やがて自身の体調をコントロールする事が可能になってくるのです。

認知療法という治療法

認知療法とは、うつ病の患者さんに対して行われる治療法のひとつです。双極性障害の場合も、うつ期が訪れるので、この治療法が必要になってきます。認知療法の最大の目的は「肯定的な捉え方を身につける」という事です。

出来なかった事を見つめ直すのではなく、出来た事に対して焦点を当て、達成感や充実感を感じてもらうというのが、この治療法のコンセプトになっています。

社会リズム療法とは?

社会リズム療法。あまり聞き慣れない治療法ですが、この治療法は、対人関係から来るストレスによって生活のリズムを乱してしまった患者さんに対して、生活リズムを整える訓練をするというのが、この治療法の根幹です。

対人関係のストレスを解消する方法(訓練)や、周囲の人と良好な関係を作り上げるための方法を学び、これを【意識づけ】する事で、ストレスに対する耐性を養う治療法なのです。

家族療法も必要不可欠

双極性障害の患者さんの場合、周囲の人(家族や兄弟など)の助けも必要になってくる場合があります。この家族療法の目的とは、周囲の人に対して双極性障害を理解してもらう事です。患者さん共々、双極性障害についての理解を深める事は、これからの治療にとって必要な事なのです。

双極性障害に限らず、心的疾患の最大の敵はストレスです。このストレス耐性を強化する上でも、周囲の人からの理解が患者さんにとって最大の力になります。

治療に不可欠もの!大切なキーワードとは?

治療にあたって大切な事とは何でしょうか。疾患や治療に対する理解も当然の事ですが、それと同じぐらい大切な事があります。双極性障害の場合、特に躁状態の時は、症状を自覚するという事が難しい場合があります。

また、周囲の人も、躁状態に気づいてあげる事が出来ずにいてしまう。その結果、症状が更に悪化し、最悪の場合、入院治療という手段になる危険性もあるのです。

大切なのは休養と遮断

この様な状況に陥らないためにも、患者さん自身が出来ること。それが「休養」と「遮断」なのです。「心を休ませること」これは、最もシンプルで、且つ有効な治療法です。無理をしない、出来ない事はやらない。この事が、病の悪化を抑制する方法です。

もうひとつの「遮断」とは、自身の心の中からネガティブな要素を遮断してしまうという方法です。これは、薬物療法や心理教育と連動して行う必要がありますが、ネガティブ思考を出来るだけ排除する事で、本当に必要な事だけに集中して取り組む事が出来る様になるのです。

治療をやめたら?そこには最悪の結末が!

ところで、治療をしなかった。もしくは、治療を中断してしまった場合は、どうなるのでしょうか。双極性障害の場合、ほぼ100%再発する危険性がある疾患です。少し調子が良いからと言って、自己判断で治療を中断してしまったら、必ず再発します。

そして、場合によっては、以前まで飲んでいた薬が効かなくなってしまうといった事にもなりかねません。つまり、症状が悪化した状態で再発する可能性もあるという事です。薬の量や種類、治療法については医師が判断しますので、決して自身で判断しないようにしましょう。

大切なのは医師との関係!心を開いて相談を!

患者さん自身に合った治療法に出会うまでは、相応の時間が必要になってきます。薬の処方に関しても、医師は経過観察を行ないながら薬の量や種類を考え、今現段階で患者さんにとってベストな選択をするのです。その間は、人によっては副作用に悩まされる場合もあるでしょう。

ここで大切なのは、医師との「コミュニケーションと信頼関係」です。治療にあたって、医師と患者さんは一心同体です。心をひとつにして「回復」という目標に向かって治療を行うのです。常に相談できる医師に巡り合う事。そして、常に医師に相談できる関係を出来るだけ早い段階で構築する事が、回復への近道になるのです。

まとめ

ここで、これまで紹介した双極性障害の治療についてまとめます。

    <治療についての5つの要点>

  • 治療に関しては完璧を求めない
  • 治療法は大きく分けて2つ
  • 大切なのは休養と遮断
  • 治療は根気強く継続する
  • 医師との信頼関係が大切

双極性障害の治療法には様々なものがあります。主にメインとなるのが、薬物療法と心理社会的療法ですが、これは、ある意味、表面的なものに過ぎません。人には「心」があります。たとえ、医師が、どんなにベストな治療法を探し、提案したとしても、それを実行するのは患者さん自身です。

患者さん自身が、疾患の事や治療法の事を理解し「治したい」、「治そう」と思わない限り、決して回復へのスタートは切れないのです。まずは「知ること」。そして、この治療と上手に付き合う事が回復への第一歩となるのです。

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