「双極性障害」とは、以前は「躁うつ病」とも呼ばれていた疾患で、躁状態(テンションが異常に高い、衝動的、突発的)な状態と、うつ状態(不安感、内向的、無気力)な状態が交互にやってくる疾患です。一般的な「うつ病」と類似している点が非常に多く、1度や2度の診察では、なかなか判断が難しい疾患です。

また、この「双極性障害」は「発達障害」とも類似している点が多く、誤診しやすい疾患であると言えます。では、この類似点とは、いったいどの様な点なのでしょうか。ここでは、「双極性障害」と「発達障害」の類似点などについて紹介していきます。

双極性障害の症状!その具体的な中身とは?

双極性障害は、躁状態とうつ状態が交互に現れる疾患です。躁状態の時は、気分が高揚し異常に会話をしたがったり、突然、衝動的な行動に出たり、人によっては、興奮状態が続き、眠らなくても平気などという場合もあります。

また、うつ状態の時は、不安感に襲われ、常にネガティブ思考になりがちです。気分が落ち込み、やる気が出ない、不安で眠れないなど、これが双極性障害の症状の特徴です。

双極性障害のタイプ!Ⅰ型とⅡ型の違いとは?

双極性障害には、2つのタイプがあります。Ⅰ型と呼ばれるタイプとⅡ型と呼ばれるタイプですが、患者さんの内訳は、Ⅱ型の患者さんよりⅠ型の患者さんの方が多いのです。では、それぞれの特徴を見てみましょう。

双極性障害のⅠ型とは

Ⅰ型と呼ばれるタイプは、この躁うつ状態の波が大きく、周りの人から異常と思われるほど極端な波形なのが特徴です。

双極性障害のⅡ型とは

Ⅱ型と呼ばれるタイプは、躁うつ状態の波が小さく、周りはおろか自分自身でも気がつかない程の波形なのが特徴です。

このⅠ型とⅡ型の大きな違いは、波の大きさ(躁状態の強さ)です。一見、波が小さいⅡ型の方が症状が軽い様に思われがちですが、実はⅡ型の方が危険な場合が多くあります。

Ⅱ型の場合は、症状が軽い分、周りも気付かず、自分自身でも気付かない事が多いのですが、その分うつの状態が長く続くと、自傷行為や摂食障害などを引き起こす危険性があるのです。

誤診もある?双極性障害と発達障害の類似点!

双極性障害と発達障害には、類似する点があります。あまりにも類似している部分があるため、診察も困難を極めるほどなのです。では、その類似点とは何なのでしょうか。双極性障害の特徴については、先ほど紹介しました。ここで、発達障害について簡単に紹介しておきます。

発達障害にも色々な症状があります。学習障害(LD)と呼ばれる学習能力に対しての障害。注意欠陥多動性障害(ADHD)と呼ばれる落ち着きがなかったり、衝動的に行動してしまう障害です。

双極性障害と症状が類似する発達障害は、このADHDと呼ばれる注意欠陥多動性障害なのです。では、類似する症状について、もう少し詳しく紹介していきます。

気分の波が激しいこと

類似する症状のひとつに、【気分の波が激しいこと】が挙げられます。気分が良い時は、何事にも積極的になったり、会話がポンポン飛び出しテンションも高くなります。この症状は、ADHDにも見られる症状のひとつで、双極性障害の症状と合致するのです。

不安を引きずりやすいこと

もうひとつは【不安を引きずりやすい】という症状です。これは、双極性障害のうつ状態の時の症状にも見られるものですが、ADHDにも、この症状が現れる事があるのです。双極性障害のⅡ型の場合、波の強さが小さいため、この発達障害との区別が非常に難しいのです。

治療法に違いがある?見分ける方法を紹介!

非常に症状が類似している双極性障害と発達障害ですが、治療法は全く違ってきます。この2つは、疾患の根底にあるものが違いますので、その治療法にも違いが出てくるのです。では、それぞれの治療法について紹介していきます。

双極性障害の治療法

双極性障害の治療法は、心理社会療法(精神療法)と薬物療法の2つです。この2つを併用した形で治療を行っていくのが一般的です。流れとしては、薬物療法で症状を緩和しながら、精神療法で精神面をサポートしていくという治療法です。

双極性障害は、再発率が非常に高い疾患です。また、完治することは、ほぼありません。きちんと向き合い、根気強く治療に取り組んでいく事が大切です。

発達障害の治療法

ここで、発達障害の治療法についても触れておきます。発達障害にもいくつかの疾患がありますので、ここでは、双極性障害と類似している注意欠陥多動性障害(ADHD)の治療法について紹介します。ADHDの治療法には、現段階では根本的に治療が出来る方法はありません。

ただ、ADHDの症状を緩和する薬があるので、環境を整えながら薬物療法による緩和を第一に治療を進めていく方法になります。その他の治療法として、『療育』という治療法があります。これは、患者さんの社会復帰に向けての環境を整えるという事に重点を置いた治療法です。

この他にもある!間違えやすい疾患とは?

双極性障害には、発達障害の他にも類似した疾患があります。躁状態とうつ状態を繰り返す双極性障害では、『統合失調症』や『境界性パーソナリティ障害』、『自己愛性パーソナリティ障害』などがあります。ここでは、多くに見られる『統合失調症』と『境界性パーソナリティ障害』について紹介していきます。

統合失調症になるケース

統合失調症には、大きく分けて陽性症状と陰性症状があります。陽性症状には、妄想や幻覚、思考障害があり、陰性症状には、感情の鈍化、思考の貧困、意欲の欠如、自閉などが挙げられます。

双極性障害と統合失調症の共通する点は、『意欲の欠如』『自閉』です。統合失調症が陰性症状の場合に、双極性障害と類似するのです。

境界性パーソナリティ障害

境界性パーソナリティ障害の特徴として、『感情が不安定』、『衝動的な行動に出る』といったものです。これらの多くは不安感から来る要素です。不安感から感情が不安定になるため、行動にも一貫性がなくなります。それが、さらに不安感を増幅させ、自閉などのネガティブ思考に陥ります。

双極性障害との類似点は、この衝動的な行動です。衝動的な行動の代表的なものは、【何かに依存する行動】です。アルコールや買い物など、何かに依存する事で自己の欲求を満足させる。これは、双極性障害の特徴のひとつでもあるのです。

まとめ

ここで、双極性障害と発達障害の関連についてまとめます。

    <関連から見る5つのポイント>

  • 双極性障害は躁状態とうつ状態を繰り返す
  • 双極性障害には2タイプある
  • 発達障害と類似している
  • 治療法は全然違う
  • その他の類似している疾患について

この様に、双極性障害と類似する疾患は沢山あります。その中で、如何に他の疾患との違いを見極めるかといった事がポイントとなります。

双極性障害の、躁状態とうつ状態を繰り返す中で、どちらの状態でもない時、つまり『フラット』な状態の時というのは、あまり長くはありません。また、Ⅱ型の場合、その波形が小さいため、他の疾患との区別が非常に分かりにくくなります。

きちんと見極めるには、それぞれの特徴をしっかりと理解する事が重要です。深刻な症状になる前に、きちんと見極めて病院での診察を受けましょう。

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