双極性障害は、発病してもすぐに受診する人ばかりではありません。躁に対して、「調子が良いだけ」「気分が良いだけ」と思い、うつに対しては、「疲れが溜まっているだけ」、躁うつに対しては「性格だから」と、本人は大丈夫だと思っています。しかし、双極性障害の場合、受診が遅れると失うものが大きいのです。

「社会的信用」「人間関係」「お金」をことごとく失います。

うつと診断されても、自分の状態が全くのうつだけではなく、気分が上がったり下がったりする場合、双極性障害が疑われます。自分の症状がこれから挙げるようであれば、その症状を医師に伝え、再度診断してもらうことを勧めます。

躁状態?うつ病と診断されているのに、なぜ!

躁状態のときには最高の気分。病気の症状なのに、病気は治ったとさえ思うほどです。ただ、躁状態を繰り返すうちに、その状態に怖さを感じる人もいます。

万能感に満ちあふれる

躁状態になると、まさに気分は上昇し、爽快で、活動的。こんなに調子が良かったことはないと感じます。家族や周囲に迷惑をかけているなどとは、思いもよりません。

躁状態の時には意欲が出てきてエネルギーがわき、休まずに動き回ります。気分が良く絶好調で、自分にはなんでもできると感じています。

    <躁状態になると現れる典型的な症状>

  • すごくいろいろなことを話したい。しゃべり続けて止まらない
  • 自分は重要人物だと思う
  • 頭の中に次々にアイデアが湧いてくる
  • 深夜でも構わず、相手の迷惑も考えずに電話をかけまくる
  • 調子が良くて一晩くらい寝なくても平気
  • 仕事のミスもミスだと思わない
  • 頭が冴えて仕事がはかどる
  • 自分はなんでもできると思う
  • 体調が良くて、力がわいてくる気がする
  • 本当に楽しくて愉快でしょうがない

落ち着かず、わけもなくイライラする

躁状態は気分の良さが典型ですが、幻覚・妄想や焦燥感があったり、不機嫌になる人も少なくありません。躁状態なのに本人は不機嫌=「不機嫌焦燥病」というような状態です。あふれたエネルギーが怒りやパワーになる人もいます。浪費や性的逸脱なども、本人や家族にとって困った結果につながります。

エネルギーがあり余り、楽しい、気持ちがいい、という状態を通り越して、じっとしていられない人もいます。活発に動いているというより、落ち着くことができず、焦燥感にかられ、気分も不安定で怒りっぽくなるため、周りとの軋轢が生まれます。活動性が高じて浪費や大量飲酒、性的逸脱などに向かってしまう人もいます。

    <上がったときに出る困った症状>

  • 身体の中からザワザワしてきて落ち着かない
  • 性的なことへの興味が高まった
  • ささいなことなのに、何かと気に障る
  • 自分でもキレまくっていると思う
  • 同じものばかり何度も買ってしまった
  • 光や音に刺激されると落ち着かなくなる
  • 怒りっぽくなっていると思う
  • 日頃の自分からは考えられないような暴言をはく
  • いろいろできると思うけれど、いら立つ
  • なんで自分のすることを止めるんだとムカつく
  • 怖いもの知らずになる

躁→うつ!やっぱりうつ病なのかしら?

躁うつ病の場合、一定期間の躁状態のあとに、うつ状態がやってきます。このため、「やっぱりうつ病なのだ」と判断してしまうことが少なくありません。

躁のときにしたことを後悔する

躁状態の時にした浪費や浮気、けんか。上がった気持ちがおさまってくるとともに、その深刻な結果に愕然とします。躁状態での行動を後で責任を取らないといけないと思い詰めます。もともとうつ状態では自責の念が症状にあるので、その苦しさが倍増します。

    <後悔すること>

  • 会社での失敗。明らかに自分のミスなのに認めずに、「オレをなめるな」と怒鳴った
  • お金を使いすぎた。カードで借金して買い物を続けた
  • なんであんな酷いことを言ったのか。母親の心を傷つけた
  • 夜中に家を出て歩き回り、数日家に帰らなかった。家出したことになっていた
  • 調子にのって買わなくてもいい高額商品を買った
  • 家で暴れて窓ガラスを割った
  • 夜中に眠れず、騒いで家族を起こした
  • 周囲の目が変わった
  • 離婚した

うつ状態!やっぱりうつ病なのかしら?

躁状態の時の活動的な様子が一変し、うつ状態になると、エネルギーがなくなって、何もできなくなります。気分が落ち込み、体調も悪くなり、うつ病と思いがちです。

別人のように何もできなくなる

双極性障害では躁状態の後にうつ状態になる期間がやってきます。うつ状態では躁状態の時とは別人のようです。意欲やエネルギーがなくなり、興味や喜びも無くなります。

好きだったはずの趣味も手につかず、愛する家族の顔を見ても鬱陶しいばかり。「何もできない」と、自分を責めます。何もやる気がない。ただ寝ていることしかできない暗い部屋でじっとして、やり過ごすしかない

    <落ち込んだ時の症状>

  • ひどく疲れたようで、身の置き場がないほど体がだるい
  • イライラするのに、すぐに泣きたくなる
  • 夜明け頃に目覚めて、そのまま眠れない
  • このままじっと耐えていれば、いつかまた元気になる日が来るのだろうか
  • 落ち着かず、居ても立っても居られない気持ちがして、焦る
  • ある日突然、体が動かなくなった
  • 何か悪いことが起こりそうで不安に満ちる
  • 光がこわく、音がこわくて部屋から出られない
  • 何も見たくないし、誰にも会いたくないし、話したくない
  • 私は孤独。家族にも友達にも見捨てられたと思う

うつ→躁!やっぱり躁うつ病が疑われる?

躁状態とうつ状態の変化は、きっかけがあると感じるかどうか、どのくらいの周期で変わるか、自覚があるかなど、人によって違います。

春から夏は躁、秋から冬はうつになる

躁や鬱になるとき、きっかけがあったという人、ある程度の周期があるという人など、状態が変わる事情はさまざまです。季節によって気分の浮き沈みがあると感じている人も、少なくありません。

本来の自分がわからなくなった

躁状態とうつ状態を繰り返すうちに、もともとの自分がどういう性格だかわからなくなったという人は多くいます。常に躁状態かうつ状態で、普通のときがないと自分で感じているからです。

躁かうつしかない

自分で本当の状態がなくなり、躁状態かうつ状態しかないと思ってしまいます。あらゆる言動が病気のためと考えてしまい、自分らしさを見失っています。

躁かうつかも不明

躁状態とうつ状態が混じったような気分のときは、自分の気分をうまく表現できていません。通常と違うこうした状態を「混合状態」と言います。

睡眠障害!やっぱりうつ病?

睡眠障害は、うつ病の典型的な症状の一つですので、「やはり、私はうつ病だ」と思う人が少なくありません。

うつでも躁でも睡眠障害に苦しむ

双極性障害では体調の感じ方も変化します。うつ状態では倦怠感、疲労感、食欲不振などを訴えます。躁状態では、むしろ体調が悪くても感じません。どちらにも共通するのが睡眠障害です。

うつの場合

双極性障害のうつ状態は、大うつ病より、身体症状が少ないといわれます。それでも睡眠障害はあります。寝付けない上、早朝に目が覚めてしまいます。早朝覚醒と言って、暗いうちに目が覚め、あれこれ考えてしまって、もう眠れない、となります。

躁の場合

本人は身体症状をあまり感じていません。睡眠障害があっても、ほとんど寝てなくても、平気です。そんな自分をわかっていて「眠れない」と訴える人もいます。目の下にクマができるほど眠っていなくても、睡眠不足を感じられないのです。

    <体調の感じ方>

  • 食欲:うつ状態とき、食欲不振の人が多く、体重が減る。季節性の人では過食の傾向もみられる
  • 疲労感:うつ状態ではひどい疲労感がある。体がまったく動かせない。躁状態では疲れを知らず動き回る
  • 痛み:躁状態では痛みも感じにくくなり、ケガをして血を流していても本人が気づかなかったりする

双極性障害が疑われる?治療方法・再発予防方法があります!

うつ病と双極性障害のうつ状態が見分けられず、医療現場でも混乱があるほどですから、一般の方が判断できなくても無理はありません。患者さん本人ですら「本当の自分がわからなくなった」と語る人も多いです。個人の事情や環境によって一概に言えないところも多々あります。

症状が当てはまり、双極性障害と疑われる場合は、診断の材料にして正しい治療を行なってください。また、「双極性障害だ!」と、落ち込まないでください。薬を飲めば働くこともできます。薬で症状を抑えられる病気です。

大切なのは再発を予防すること。双極性障害には再発の問題があります。社会的な影響が大きい上、再発までの期間が短くなっていきます。そのことを認識すれば打つ手はあります。

患者さんの中には、再発の予兆があった段階で、何らかの対処ができる人もいます。必要な薬を飲む、受診する、入院するなど、早期に治療を始められ、本人も苦しまずにすみます。

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