「最近夫がやたら怒りっぽくなったり、かと思えばひどく落ち込んだり、調子が悪いのかな?」そんな風に感じている人、もしかしたら「双極性障害(躁うつ病)」の可能性があります。

気分が落ち込んだり、沈んだりは病気ではなく誰にでもあることですが、双極性障害はこれといった理由が全くなく気分が上がったり下がったり、それが自分の意志ではコントロール出来なくなってしまいます。

身近な家族は一体どんな風に接したらよいか、またどのように治療するかわかりやすく解説します。

双極性障害はなぜ起きる?2つの原因!

遺伝とストレスが原因ですが、2つが別々の原因になるのではなく合わさった結果として発症します。つまりもともと双極性障害障害になりやすい遺伝子を持っていて、その人に多大なストレスがかかると発症するというメカニズムです。

    <過大なストレス>

  • 長時間労働
  • 家庭の不和
  • 失業

など、自分の生活をおびやかすようなストレスがかかると発症することがわかっています。

薬物療法による治療ってどんなもの?薬の種類によって効果が違う!

双極性障害の薬の役割って?

双極性障害の薬の役割は今起きている気持ちの高ぶり、あるいは落ち込みを抑えることと、前もって気分の上がり下がりを予防することです。

特に再発予防は重要です。なぜなら、何度も再発することによりさらに再発しやすくなり、症状が深刻になるからです。

薬は主に3種類が使われます。

    <薬の種類>

  • 気分安定薬
  • 抗精神病薬
  • 抗うつ薬

これらの薬の組み合わせで治療が行われます。

気分安定薬ってどんなもの?

その名のとおり、気分を安定させる役割です。

    <具体的な薬の名前(カッコ内は薬の一般名)>

  • リーマス(炭酸リチウム)
  • デパケン(バルプロ酸ナトリウム)
  • ラミクタール(ラモトリギン)

抗精神病薬の役割ってどんなもの?

以前は統合失調症に使われていたのですが、最近になって双極性障害のメカニズムが統合失調症の一部と似ていることがわかりl使われるようになったのです。

    <具体的な薬の名前>

  • ジプレキサ(オランザピン)
  • セロクエル(クエチアピン)
  • エビリファイ(アリピプラゾール)
  • リスパダール(リスペリドン)
  • ロドピン(ゾテピン)

抗うつ薬の役割ってどんなもの?

抗うつ薬は双極性障害のうつの状態のときに落ち込んだ気分を改善させるために用いられます。

    <具体的な薬の名前>

  • デプロメール(フルボキサミン)
  • パキシル(パロキセチン)
  • ジェイゾロフト(セルトラリン)

精神療法による治療は2つある!認知療法と行動療法的家族指導とは!

認知療法って具体的にはどうするの?

認知とは、「ものごとの捉え方、考え方」のことです。例えば同じミスをしても大したことがないと思う人が入れば、これはもう取返しのつかないことでクビになっても仕方がない、ととらえる人もいます。

こんな大げさな捉え方をいちいちしていれば疲れますしストレスも溜まります。認知療法とは、自分の身の回りに起きる出来事などの捉え方を出来るだけ客観的にとらえることです。その結果ストレスを受けにくいものの考え方を身につけることを目的とします。

行動療法的家族指導は具体的にはどうするの?

患者の問題行動の中身を分析して、なぜそのような行動を知ることがまず第一歩となります。そしてその原因を消去させることによって行動の適正化を図り、再発を予防するのです。

原因は家族との関係が深くかかわっているので、家族も含めて、家庭全体のお互いの関わり方の見直しをして患者の治療に役立てるのです。

躁状態のときの患者の行動は?家族はどう接したらいいの?

躁状態のときの患者の行動って?

躁状態のときは、患者は万能感があり、自分が絶対的に正しくなんでもできる、と思い、周囲に迷惑をかけるような大胆な行動にとることがあります。時には家族に暴力をふるったりもします。

躁状態のとき家族はどう接したらいいの?

最初は「病気だから仕方がない」と思っていても、我慢し続けることによって疲れ切ってしまいます。家族が自分自身を守るために、実家に避難する、などの行動が必要になります。または、入院という選択肢もあります。

いずれにせよ、自分ひとりで抱え込まないで、受診している精神科と密な関係をもって相談することが必要です。

うつ状態のときの患者の行動は?と家族はどう接したらいいの?

うつ状態のときの患者の行動って?

患者はエネルギーを失っています。「気晴らしにどこかへ行ったら?」とか「もう少し頑張ってみれば?」と声をかけてはいけません。余計に落ち込ませてしまいます。なにもできない状態なのです。

うつ状態のとき家族はどう接したらいいの?

「死にたい」と言うのも、うつ状態のときです。ここでも「死ぬなんてとんでもないことだ!」と叱れば逆に「自分のことをわかってくれない」と感じ、余計に落ち込みがひどくなります。

「あなたはここにいて大丈夫」というメッセージを送るようにしましょう。自分自身が安心できる場所がある、と感じることが一番の薬なのです。

復職にあたっての注意点は?再発を防ぐための方法!

病院での治療と家族の支えで双極性障害は乗り越えられる病気です。けれども再発しやすい病気であることも事実です。

会社と本人・家族で三者面談を行い、徐々に仕事を増やしていって復職することがベストです。復職したては頭の回転も鈍っており、ストレスもかかりやすく再発しやすいのです。復職の初期が一番大切です。

患者と家族の双極性障害との上手な付き合い方は?早期発見と理解が大切!

双極性障害は、昔は治療しにくい病気でした。薬の有効性も低く、どんな精神療法が効果的かもわかっていませんでした。

家族の接し方もわからなかったので、家族も疲れ切ってしまう病気。でも今はどんな病気であるか分かってきて、有効な治療薬、有効な精神療法が取り入れられるようになりました。家族をバックアップする精神科の理解も高まり、早期発見、早期治療が可能な病気になっています。

双極性障害は治らない病気ではありません。家族が、あるいは自分自身の変調を少しでも感じたら早めに精神科への受診して治療すれば怖い病気ではなくなってきているのです。

双極性障害の辛さから解放されたいあなたへ

「鬱」と「躁」の悪循環から独力で脱出する「プチ認知療法」

認知療法で双極性障害を克服した人は多くいます。なぜなら、認知療法で自分の考え方を変えることで鬱と躁をコントロールすることが可能だからです。ですが、認知療法を実践するのは簡単ではありません。そこで、認知療法の専門家が作成したDVDを見るだけで実践が出来るプチ認知療法があります。それを実践すると、認知療法を気軽に実践することが出来、結果として、うつを克服することが出来ます。