双極性障害は気分の異常に高揚する躁状態と、気分が暗く塞ぎ込んでしまううつ状態の2つに苦しめられる病気です。

このような心に影響がでるような病気、例えばうつ病などの場合、自身を死に追いやろうとしてしまうことがあると、聞いたことがありませんか?ということは、この双極性障害も、同じように自殺率が高かったりするのでしょうか?

しかし双極性障害ではそれらとは違い、普段ではあり得ないほど活力がみなぎる躁状態があります。今回は双極性障害の自殺率について、その状態との関係も一緒に紹介していきます。

自殺は多いの?その率は、高い!

うつ病とも並ぶ自殺率

まず、双極性障害患者における自殺率を、総合的に見ていきます。実は、双極性障害患者の自殺率は、心の病として筆頭であるうつ病と同等、むしろそれ以上とされています。

ある調査によれば、双極性障害患者のうち25~50%の人が、一度は自殺をしようとしたことがあるのです。実に4分の1から半分の人が、命を絶つことを望んでいるのです。そして、実際に命を落とした人は、全体の15%ほどとされています。双極性障害は、非常に自殺率の高い恐ろしい病気と言えるのです。

自殺の原因は?正反対の2状態による苦しみ!

2つの状態による理解できない差

では次に、双極性障害による自殺の原因についてもみていきます。その原因として、躁状態とうつ状態という2つの状態が大きく関わっています。

躁状態のとき、患者は自覚なく様々なことに挑んだりします。それは異常とも言える活力でもって、実現は絶対にできないだろう事への無謀な挑戦です。それは時として、金銭や人間関係のトラブルにも発展します。

躁状態が終わって、通常あるいはうつ状態になったとき、患者は自分でもなぜ起こしてしまったから分からないトラブルに苦しめられるのです。このような2つの状態による気分の高揚と塞ぎ込みの落差が、患者を大きく苦しめる負担となっています。

自分が自分で分からない

このような、自分で病気としての自覚がないがゆえに起こる苦しみなど、患者は自分の気持ちに怯えます。病気とはいえ、自分で自分がままならないこと、それは健康な人にはなかなか分からない恐怖です。

うつ状態では自身の失敗などを気にしすぎてどんどん沈んでいきますから、それでどんどん沈んでいき、そして自殺に至る、ということもよくあるのです。

完治は難しいの?再発を繰り返していつの間にか…

非常に高い再発性

更に、双極性障害は非常に再発が多い病気です。一度治ったと思っても、それはただ2つの状態のどちらでもない普通の状態、寛解期(かんかいき)が長かっただけ、ということがあるのです。

患者の多くは、自身の病気を嫌がります。できることなら早く治してしまいたい、なかったことにしたい、そんな思いから、未だ寛解期の可能性があっても、完治したと判断してしまうことがあります。結果として、どちらかの状態が再発し、知らず知らずのうちに追い詰められていることが少なくないのです。

対策には何がある?身体と心に訴える2つの方法!

では次に、双極性障害での自殺を防ぐ対策を紹介します。双極性障害の治療方法そのものが、患者を自殺から守る役割も備えています。両方としては2つ。薬物療法と、心理療法です。

気持ちを改善させる薬物療法

まず、薬物療法です。躁状態の時に気持ちを落ち着ける薬や、うつ状態の時に使われる抗うつ剤などがありますね。気持ちをできるだけ平常にとどめておく、といった事を目指しています。

双極性障害の治療では、いかに2つの状態になるのを防ぐか、というのが大きな課題になります。特に躁転、つまり躁状態になる事を防ぐのが大切です。2つの状態での差を縮め、できるだけ気分の波を小さくすることで、患者の自覚と気持ちの隔たりをなくしていくのです。

病気を理解していく心理療法

続いて、患者の心に訴えていく療法です。正しくは、心理社会的治療といいます。病気の正しい知識を得たり、生活リズムや考え方を健康な方向へ整えるものです。

この中でも特に、患者に自分の病気についての理解を深めてもらうことが、自分の気持ちへの不安、恐怖を和らげることができます。患者が自身の病気、気分などが病気によって変わっていくことなどを自覚し、それを客観的に捉えることで、ストレスの緩和を目指していくのです。

周りでは何ができるの?正しい理解、そして傍にいること!

患者と共に受ける家族療法

周りの人も、双極性障害患者を自殺から守る、重要な力です。患者だけでなく、その家族にも医師と行う家族療法があります。これは、先の心理社会的治療と通じるもので、最も身近な家族にも、病気の正しい理解を持ってもらうという治療です。

患者は勿論ですが、その家族もまた、追い詰められていく家族を見ているのがつらいものです。しかしメンタル面の病気ゆえに、どう接していいかわからない。そんな家族にこそ、正しい病気の理解と、患者との日々の過ごし方、その支え方などを知ってもらうべきなのです。

道を示すこと、傍に寄り添うこと

では実際にはどうすればいいのか。必要なのは、躁状態の時には適度に道を示すこと、そしてうつ状態の時には、傍に寄り添うことです。

躁状態の時、患者にはその自覚がありません。ですから、これは躁状態、いつもと違う状態だと周りが感じたら、病院に連れて行くなど行動を起こした方がいいですね。その方が、患者が気付かぬうちに失うものは少なくてすみます。更に患者は躁状態の時に、凶暴になってしまうこともありますから、病院に連れて行くことで、家族や周りを守ることにも繋がります。

うつ状態の時にはこれとは逆です。通院を勧めることはよしとしても、その他のことであれをするといいなどの口出しは避けた方がいいです。うつ状態の時は気持ちが塞ぎ無気力になります。無用な声かけは避け、患者がゆっくりと心身を休める環境をつくってあげましょう。あまりにもネガティブで、自傷に走りそうな場合に注意してくださいね。

なお、これらの対策はあくまでも主な例です。患者一人一人によって、それぞれの状態や事情は大きく変わってきます。一般的にはこう言われているから、だけではなく、担当医からの言葉を一番頼りにして、患者に接してくださいね。

まとめ

高い自殺率の双極性障害と向き合う

双極性障害は、正直な話自殺率が非常に高い病気です。そして再発性も高いだけに、とても長い間苦しむことになります。しかしそんな恐ろしい病気だからこそ、それをきちんと理解し、自分の病気なのだと受け入れていくことが大切です。

病気をそれとして理解して認め、そして周りの人の助けを借りつつ上手く付き合っていくこと、それが双極性障害の自殺への、一番の対策と言えるのです。

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