今日、名前が世間にも知られるようになってきた、双極性障害。その患者数は1%に満たないほどですが、実際には見逃されてしまっている場合が非常に多いと考えられています。この病気は、感情の起伏が激しくなる躁状態と、無気力でふさぎ込んでしまううつ状態を繰り返す難しい病気です。

体の痛みなどではなく、精神の面で重大な症状が起こる双極性障害。いったい何が、このような病気を招くのでしょうか?今回は、この双極性障害の原因について、現段階で考えられているものを紹介します。

実際どのくらい分かっているの?まだまだ研究段階

世界的に進む研究

この双極性障害は、実はまだまだ未解明な部分が多いです。欧米諸国など世界的に見ても、明確な原因解明には至っていません。

そもそも双極性障害は、以前は躁うつ病と呼ばれ、うつ病の一種とされていました。しかし少しずつその症例が増え、研究が進んでいく中で、別の病気として考えられるようになったという経緯があります。

「双極性障害」としての研究はまだ満足には行われていません。これから世界中の症例でもって、さらなる解明が求められているのです。

分かったことはないの?遺伝性は確認された

原因の1つとして

その上で、最近の研究によって、双極性障害の発症の原因には、ある程度の遺伝性があることがわかってきました。つまり、両親やその兄弟、血縁をさかのぼってそこに双極性障害を発症した人がいれば、発症の可能性がそうでない人よりも高いということです。

ただし、必ず双極性障害を発症させる遺伝子の存在が確認されたわけではありません。一卵性の双子がどちらも発症するというわけではありませんが、そうなる可能性は二卵性よりも高い、といったところですね。

確率としては、ある研究では片方の親に発症経験があれば25%ほど、両親ともに経験があれば倍の50%ほどになるとされています。なかなかに大きな数字です。遺伝はもう仕方のないことですから、そうと理解し割り切った上で、予防や早期発見に努めるべきですね。

患者に共通することは?発症前の性格か

共通する内面性

次に、原因とは少し違いますが、双極性障害を発症する人に多い共通点を紹介します。通じていると見受けられるのは、その性格です。

うつ病など、心に何か起こってしまう人というのは、どこか陰があるような静かな人と考えてしまうかもしれません。しかし、双極性障害に限って言えば、むしろその逆、日頃明るく社交的な人が患者の中では多いのです。周りへの気配りができて、人を楽しませるユーモアもあるような人は、感情の起伏が少し大きめで、双極性障害になる人の中には多いと言われています。

ただし、このような性格だから発症しやすい、ということではなく、発症する人の中でこんな性格の人が多い、というだけなのです。これらの性格をあまり関係ないとする説もありますし、そういう学者も少なくないです。あくまでも参考として考えてください。

ストレスは関係ないの?発症の引き金にはなる

遺伝+ストレス

双極性障害を発症する人は、ストレスを引き金とする人が多いです。遺伝による可能性の高さに、環境や人間関係などのなんらかのストレスをきっかけとして発症するのです。

実は、ストレスによる負荷のみで発症するというケースはとても少ないのです。よほど大きな重いものでない限り、遺伝がある場合が主です。故に、発症に明らかにストレスが絡んでいたとしても、遺伝による問題がありますからストレスから離れるだけでは完治はしないのです。

ストレスが脳を傷つける

最近の研究で、長期的な心の負荷が、脳に悪影響を及ぼしていることが分かってきました。詳しい経緯といったものはまだ研究段階ですが、心の負荷から脳の神経に損傷が出る、そこから双極性障害の発症を解明する動きがあります。HPA仮説などが実際に研究者達によって唱えられています。

つまり、心の病は気持ちの問題でストレスは強い気持ちではねのける、というのは的を射ているとは言えないのです。実際に、脳への障害が出ているわけですから。ストレスは脳に傷をつける重大な負荷であることを、理解してください。

研究は何が難しいの?その判断が困難な症状!

2つの症状

さて、ここまで双極性障害の原因について述べてきましたが、その研究がまだまだ途中であることにも触れました。双極性障害の研究の難しさを、その特異な点についての論から紹介します。

双極性障害には、2つの症状を繰り返すという、希有な症状があります。躁状態とうつ状態、その間にはどちらでもない普通の期間が挟まることもあります。これら全てが双極性障害の症状ですから、それらに変わること、躁転とうつ転の原因や経過も研究の対象となります。

躁転とうつ転は、生活サイクルの乱れやストレスなどが原因としてあります。しかしはっきりと転じた瞬間はわかりにくいですし、自覚もありません。双極性障害には希有な症状による診断、区別の難しさがあります。それが原因究明などの研究を、難しくしているのでしょう。

高い再発可能性

ちなみに、先ほども少し触れましたが、2つの状態の間には、どちらの兆候も見られない期間があります。完全に治ったのか、どちらかの状態に転じる隙間なのか、判断は難しいものがあります。

また患者の中には、自身が双極性障害であることを嫌がり、自分で勝手に判断して途中で治療をやめてしまうことがよくあります。

総じて、一時期通院しなくなった結果、双極性障害が再発することは非常に多いのです。再発の理由は果たして最初に発症した時と同じ原因なのか、あるいはただの状態に転じただけなのか、もっと別の何かなのか。総じて、双極性障害の研究は、まだまだ必要なものと言えますね。

まとめ

将来への期待

以上、双極性障害の原因について、その詳細や現段階の研究成果、加えてそれを知るに有用な情報などを紹介してきました。何度か述べてきましたが、双極性障害の研究はまだ完遂されてはおらず、情報の不足は依然として多いです。

十分な症例、研究を経ることで、これから双極性障害の原因究明がなされ、この病気に苦しむ人の数は減っていくのです。

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