昨今よく聞かれるようになった、双極性障害。以前は躁うつ病とも言われていました。なんとなく心に関した重い病気、といったイメージがあるだけで、病名だけ聞いてもあまりピンと来ないという方も多いのではないでしょうか?

ウイルスや細菌が原因の病気と違って、心などの環境要因が原因として絡んでくる双極性障害。今回は、それがどんなものなのか、その概要を詳しく解説していきます。

2つの性質を持つ病気

躁とうつ

双極性障害は、躁状態とうつ状態という、2つの性質を繰り返す病気です。以前の呼び名である躁うつ病とは、この2つの状態の名から来ているものです。

状態の詳しい説明はあとでしますが、簡単に言えば躁状態は感情の起伏が激しくなり、自分でコントロールできなくなる状態です。そしてうつ状態は、気分が落ち込んでふさぎ込み、何のやる気も起きなくなる状態です。双極性障害は、この2つの正反対とも言える状態を行ったり来たりする病気なのです。

双極性障害の原因は、まだはっきりとは解明されていません。今のところは生まれ持った体質である遺伝素因と、生活習慣やストレスなどの環境因子が互いに関係しあって起こると考えられています。

気分の高揚する躁状態

異常とも言える行動力

では、それぞれの状態についても見ていきます。まず、躁状態です。これは自分でコントロールできないほどに気分の浮き沈みが激しくなる状態です。周りから見ても、明らかにいつもと違うと感じられるほどに、様子が変わります。

躁状態では、異常とも言えるような行動力がみなぎります。行動力と聞くとよい印象を持つかもしれませんが、それは無謀なことに向けられる活力なのです。絶対に無用なものを買い込んでしまったり、損するのが目に見えている投資を行ってしまったり。総じて、後々困ることになる事に、しかし判断がつかずに踏み込んでしまうようになるのです。

凶暴性も併せ持つ

躁状態では冷静な判断力が失われ、激しくなった感情のままに行動してしまいます。それは、時として非常に危険な事態に陥ります。活力がみなぎると同時に、怒りっぽくもなるのです。

周りの人たちに危害を加えることも多いです。特に家族などには、家族関係の崩壊や、本当はこんな人ではないとなまじ分かっているからこその無理な我慢を強いてしまったり、総じて取り返しのつかないことになってしまうのも、珍しくはないのです。

暗くふさぎ込んでしまううつ状態

うつ病とほぼ同じ状態

さて、続いてうつ状態についてです。こちらは躁状態とは対照的な状態になります。何にも興味を抱くことができず、無気力になり自分を責めるその症状は、うつ病のものとほぼ同じです。

うつ状態の時、患者は躁状態の時と反して、自分への自信を失い極度に怯えます。楽しかったこと、好きだったことにも興味を示さず、食欲や睡眠欲も減退し、ただ無気力にふさぎ込むようになってしまうのです。中には、自殺に至る人も少なからずいます。

診断のむずかしさ

自覚のない症状

双極性障害、と一口に言っても、Ⅰ型とⅡ型という細かな分類もあります。また職業や生活習慣によって、症状の現れ方にも違いがあります。例えば行動力が上昇しているときには、立場ある人は資産運用に気が向きますし、家事を行っている人は内職などに挑戦するなどの違いがあります。

このような躁状態と物語る躁エピソードや、逆のうつエピソードを基に、医師は患者を診断します。しかし、躁うつ病の躁状態には自覚がありません。更にⅡ型での躁状態は軽躁と言い、Ⅰ型と比べて普段と違う言動が少なく、周りから見ての異常性というのが分かりにくかったりします。故に、双極性障害は最初からそれと診断することが難しい病気なのです。先にうつ病と診断され、あとから実は双極性障害だったと分かる。そんな複雑な面を持った病気なのです。

現在の双極性障害

厳しい現状

このように、なかなか判断が難しい双極性障害。診断の難しさもあれば治療の難しさも大きいです。心の問題ゆえに、経過がよくなったかがわかりにくく、また2つの状態が行ったり来たりするので、完治したと判断することも難しいのです。患者が自己判断で完治前に治療を中止し、結果再発するケースもよくあります。

そして、双極性障害の患者は、自殺率も非常に高いのです。ある調査によれば、全体の四分の一から半分の人が、自殺しようとしたことがあるのです。そして、実際に自ら命を絶ってしまう人は、全体の15%とも言われています。これは、うつ病患者の自殺率よりも高く、双極性障害の重大性が窺えますね。

世間の進歩

昨今、この双極性障害について、世間の理解が徐々に広がってきました。自立を経済面など様々な形で支援する制度や、患者にいち早く気づくための報知活動なども活発に行われています。患者が心身を休めやすいような環境が、少しずつですが整ってきていると言えます。

そこで必要なのは、多くの人の理解です。知識が広がるのが医療や福祉などの現場だけでは意味がありません。少しずつ世間に知られてきてはきましたが、まだまだ足りないのです。より多くの人に、広く双極性障害を知ってもらうことが、今求められていることなのです。

まとめ

周りが見つける

いかがでしたか?なかなか知られていない双極性障害について、ご理解いただけたでしょうか?双極性障害について、一番知っておいて欲しいのは、周りの助けが必要不可欠だということです。

まだ研究が続けられている段階ではありますが、双極性障害の原因として遺伝性が確認されてきています。そしてその発症の引き金としてストレスがあり、いつ発症するかは分かりません。

自覚がなく判断されづらいこともあって、見逃されやすい上に、自殺率も相当高い病気です。取り返しのつかない事態になる前に、「あれ?なんだか様子がおかしいかな?」と感じる人がいたら、どうか気にかけていてください。あなたが周りの誰かを救えるかもしれません。

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