気分の高揚する躁状態と、気分の落ち込むうつ状態という、相反する2つの面を持つ双極性障害。その治療には、どのような方法がとられるのでしょうか?薬物療法では、どのような薬が、またどの期間に飲まれるのでしょうか?

一般的な薬を飲んだり寝込んだりといったセオリーがあるような病気とは違い、なかなか浸透していないこの双極性障害。薬を飲んで寝るだけとは違う、双極性障害の治療法について、今回は詳しく紹介します。

治療法にはどんなものがある?薬と心理的なものの2つ

薬物治療と心理社会的治療

双極性障害の治療法としては、主に2つ、薬物治療と心理社会的治療が挙げられます。2つの治療を併せて継続的に行っていくことで、回復を目指していくのです。

薬物治療とは、その名の通り薬を服用していく治療法です。双極性障害は心の苦しみや、そこから発展した体の苦しみがあります。薬を用いることで、精神の安定と、体に現れた症状の改善を図るのです。

一般的に心理社会的治療は、あまり馴染みのない言葉でしょう。これは、患者やその周りの心理を、快方のために改善していったり、正常な仕事や人間関係を手にし、社会的な生活を送るためのスキルを回復したりする治療法です。

具体的には、双極性障害について本人や家族に正しく理解させたり、日頃の生活リズムを医師と共に見直したりと言ったことがあげられます。これらの活動が、正しい治療の促進、効果の向上、ひいては双極性障害の早期回復に繋がるのです。

治療で重要なことは?治療における3つの要素

2状態の治療と再発予防

双極性障害治療には、これらの方法がとられるわけですが、そこには3つの要素があります。要素とは言い換えれば、治療におけるポイント、達成すべき目的ですね。その3つとはうつ状態の治療、躁状態の治療、そして再発の防止です。状態の治療の他に、それと同じくらいの重要度で、再発の防止が考えられているのです。

そもそも双極性障害の病状の特徴として、躁状態とうつ状態の移り変わりがあります。それはいつもどちらかの状態というわけではなく、1つの状態が終わってからどちらでもない期間があります。

双極性障害は再発が非常に多いです。どちらの症状でもないから、治ったと判断され、そして再度どちらかの状態に陥るのです。そのようなことにならないよう再発防止に努めることが、双極性障害の治療の重要な要素なのです。

薬物治療はどのように?治癒と再発防止の2つの目的!

治癒のための薬物治療

さて、では実際の治療の詳細について紹介します。まずは症状改善のための薬物治療についてです。

どちらの状態でも、症状治療のためには、いつもの状態に戻すための薬が使われます。つまり躁状態に対して、気分の高揚を抑えるためと、うつ状態に対して、気分の持ち上げるための使用ということです。

使われるのは主に気分安定薬と抗精神病薬です。気分安定薬とは読んで字のごとく、気分の浮き沈みを抑制する効果を持つ薬で、数種類あります。抗精神病薬は、脳のドーパミンの働きを抑制する効果のある薬で、統合失調症の治療などにも用いられています。一番よく使われるのは気分安定薬で、それで上手くいかなかった場合などに、抗精神病薬への切り替えや併用といった手段が用いられます。

薬によっては、うつ状態と躁状態で効き目が強くなったり、弱くなったりします。数種類ある薬の中から、患者のその時の状態に合わせた服用策がとられていくのです。また、これと併せて抗うつ剤などが補助的に使われる場合もあります。

再発防止のための薬物治療

続いて、再発防止のための薬物治療についてです。実は、再発防止のためにも薬は用いられるのです。

先ほどにも少し触れましたが、躁状態とうつ状態の間には、どちらの症状も見られない寛解期(かんかいき)という期間があります。この間の維持、どちらかの状態に転ぶことのないように予防するために、薬物療法は続けられるのです。

用いられる薬は、上と同じ気分安定薬です。気分の波を抑え、寛解期を続け再発防止に努めます。

心理社会的治療はどのように?心理と社会の2方向から!

心理的な心理社会的治療

では続いて、心理社会的治療を紹介します。これは、適切な治療を行っていくこと、そして治療後の患者の生活のために、患者の心理や社会的スキルを改善、回復していく治療です。

まず心理的な面での治療を解説します。心理教育、家族療法、認知療法などと言います。心理教育と家族療法とは、双極性障害の正しい理解を患者と家族が深めるものです。病気を理解して飲み込むことで、そのコントロールをできるようにすること、そして家族がそれを支えられるようになるのが目的です。

認知療法とは、疾患によって崩れてしまった患者の考え方、物事のとらえ方を戻してあげるものです。自分は駄目な人間だと考えがちな患者に、自分にはこれができるなどと肯定的な思考をしてもらうのです。そうすることで、うつ状態の暗い感覚を乗り越えられる気の持ち方を習得するのが目的です。

社会的な心理社会的治療

続いて、社会的な面での治療です。対人関係・社会リズム療法といいます。少しでもストレスのない対人関係、社会生活のリズムを目指すものです。人間関係の問題やカウンセリングなどによって、いわゆる普通の生活に戻れるように、医師達と共に取り組んでいくのです。

長い闘いになる治療。必要なのは支え!

継続を支える

先にも述べましたが、双極性障害の治療は非常に長い闘いになります。繰り返される2つの状態に、寛解期からいつまた発症するか分からないという恐怖。予防のための薬を飲み続けなければいけないこともあり、患者は非常に大きな不安を抱えます。

だからこそ安心を求めて、もう治ったと自己判断して服薬を中止し、結果再発が多くなります。継続した治療のためには、家族や友人など患者の周りの人々の協力が不可欠なのです。

まとめ

求められる正しい理解

いかがでしたか?双極性障害の治療法について、理解を深めていただけたでしょうか?心理社会的治療でも述べましたが、この治療には本人の他に周りの正しい理解が必要です。そして患者がもっと過ごしやすく、治療に専念しやすい環境を作るためには、より多くの人の病気に関する理解が必要です。双極性障害について、どうか正しい知識を身につけていってくださいね。

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