異常な高揚感を得る躁状態と、何事にも無気力なうつ状態を行き来する双極性障害。それは、周りから見ても異常と思えるほどのものです。特に、家族からすれば、こんなのはこの人ではないという絶望的な気持ちにもなってしまいます。

病気に苦しむ患者に、どうしたらいいのか、日常を共に過ごす家族にとっては非常に大きな悩みだと思います。今回は双極性障害患者の家族が、どうやって大切な人の症状と付き合っていけばいいのか、そして回復をどう手助けしていけばいいのかなどを紹介します。

躁状態では家族はどうする?病院へ連れて行く!

ではまず、家族である患者が躁状態、つまり気分の起伏が異常に激しくなる状態の時、家族がどうすればいいのか解説します。

おかしければ受診させる

気分の高揚する躁状態の時、患者にはその自覚がありません。しかしその症状は、周りからすれば明らかにいつもと違うと分かるほどのものです。本人は無謀な浪費や計画など、どう見てもあとから困るようなことを行ってしまいます。

そんな患者を、一番傍から見ているのが家族です。どうもおかしい、こんなのはいつものこの人ではない。そう感じることがあれば、どうか双極性障害を疑い、受診を勧めてください。本人では病に気づいて受診にこぎつけることが難しいです。病気の早期発見、早期治療のために、躁状態を疑ったら受診させるようにしてください。

まず自分の身を守る

ただし、患者が躁状態の時、その家族は自信の身を守ることをまず第一に考えるべきです。躁状態の時、患者は感情の起伏が非常に激しくなり、そしてそのコントロールができません。故に、家族からの制止や宥めの言葉に耳を貸すことができず、むしろ逆上してしまうことがままあるのです。

その時、患者は日頃思っても見ないようなことを口に出してしまうことがあります。家族はそうと分かっていても、面と向かって言われてはひどく傷ついてしまうものです。また、患者は躁状態の時、その激情から暴力には走ってしまうことが珍しくありません。その時、その家族は本当はこんな人ではないと信じるあまり、我慢してしまうこともよくあるのです。

家族といえど、不当で理不尽な暴言、暴力を無理に我慢する必要はありません。患者に悪気、自覚がないだけに、症状によって後の家族関係に支障が生じることも珍しくありません。患者の家族は、無理に躁状態の患者の理不尽を我慢せず、必要な処置を講じていくことが必要なのです。

うつ状態では家族はどうする?騒がず傍に寄り添う!

では続いてうつ状態、心が塞いで何にも活力が起きない状態の時についてです。患者がうつ状態の時、家族はどうしているべきなのでしょうか。

口を出しすぎず、ただ寄り添う

うつ状態の患者に家族が一番すべきは、意見をしすぎたりせず、その傍にいてあげることです。うつ状態の患者は自身に強い罪悪感を抱き、自分を責めていることが多いです。無気力で、仕事やその他の活動ができない自分を悔しく思ってしまうのです。

そんな時、家族は下手に口を出すのではなく、ただ患者の傍についていてあげてほしいのです。何をするにも力が出ず、ともすれば無為に時間を過ごす患者に、それでいいのだと、今は休む時間なのだと安心させてあげてください。自分を信じられない不安な患者にとって、最も近しい家族に急速を許されるというのは非常に大きなことなのですから。

それ以上追い詰めない

そして同時に行うべきは、患者をそれ以上追い詰めないように言動に気をつけることです。前述の通り、患者は無気力状態である自身をふがいなく、罪深く思っています。それを元気づけようと何か発言したとしても、医師ではない人のアドバイスが、逆に患者を傷つけてしまうことがあるのです。

過度な干渉は避け、ただ患者の傍にいてその休息を受け入れること。精神的に追い詰められ、倒れてしまいそうな患者を支えることが、うつ状態の患者を持つ家族に必要なことでしょう。

家族に気をつけるべきは?下手に手を出さない!

過度な干渉は避け、専門家を頼る

先ほども少し触れましたが、双極性障害患者に対しては過度な干渉は避けるべきとされています。患者は自身のことに精一杯です。周りからの言葉で生き方や考え方を変えることはできないのです。

むしろ専門の知識のない人の言葉が、逆にその人を傷つけてしまうことがままあります。家族が助けたい、力になりたいという気持ちから言っている励ましなどですから、なおさらつらいものがあるのです。家族だから支えたいという気持ちはよく分かります。でもだからこそ、一番の力になれる医師の力を借りることで患者を支えてあげる方が、患者と家族互いのためになるのです。

患者にやってはいけないことは?それは追い詰めること!

気づかずに追い詰める言葉に気をつける

上にも通じるものですが、気づかないうちに追い詰める言葉を口に出さないようにすることを心がけてください。不用意な励ましや説教は、双極性障害患者には御法度です。

躁状態で高揚している人に、今のあなたはそういう状態だからと説明し、落ち着けと言っても無理です。逆にそのような自分を認めたくなくて逆上し、暴力などに発展することもあります。そしてうつ状態の人に、塞ぎ込んでいないで明るくいようなどと言うのも、また無意味なことです。むしろ、家族に心配をかけている自分を、患者が更に責める事態に発展するかもしれません。

双極性障害患者を家族に持つ人は、気づかずに相手を追い詰めないように、気をつけてくださいね。

他に気をつけるべきは?苦しむ患者を報知しないこと

治療されず苦しむのは患者

そしてもう一つ、家族がしてはいけないことがあります。それは、待ってしまうことです。躁状態の時、患者は症状の自覚がなく、そしてうつ状態の時、患者は自身を不甲斐ないと責めます。患者はなかなか自分から病院に行くことができません。そんな時必要なのは、周りの支えと、それによって病院に連れて行ってもらうことです。

本当はこんな人ではないから、と躁状態の患者に対して我慢をしたりしてはいけません。専門家である医師の治療を受けることで、患者の症状は好転します。双極性障害で実際に苦しんでいるのは患者であることを忘れないでください。そして、症状が疑われるときには周りの病院への勧めが大きな影響を与えるということを理解しておいてください。

まとめ

患者に寄り添い、支えること

いかがでしたか?双極性障害患者の家族を持つ人の心がけが、少しでも理解していただけていれば幸いです。何よりも必要なのは、患者に寄り添うことです。過度な干渉を避け、つらい思いに苛まれている患者を少しでも支えてあげてください。そうすることで、患者の苦しみを少しでも減らし、早い回復につなげることができるのです。

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