精神疾患は心の病として考えられがちですが、ここ数年の動向として脳の器質的な変化と精神疾患との関連性を調べるようなリサーチが増えています。

その一つが認知症であり、認知症を患っている人は脳が全体的に委縮している可能性があることが周知のとおりです。

統合失調症やうつ病、双極性障害などの精神疾患と脳の器質的変化の関連について数多くの研究がおこなわれており、未だその結果ははっきりとしたことが分かっていません。しかし、いくつか分かってきたことがあります。

今回の記事は、精神疾患の中でも双極性障害をピックアップし、様々な角度からその原因について探っていきたいと思います。

脳が変化している?死後脳の検証から分かってきたこと

精神疾患の原因を追究しようという試みは古くからおこなわれており、半世紀以上前には精神疾患を患っていた人が亡くなった際に脳を調べることで、脳の器質的な変化と精神疾患との関連性について検証されてきました。

半世紀以上前の検証では、脳の器質的な変化が認められず、双極性障害は脳の変異とは関係がない「心の病気」であると言われてきたのです。

技術の進歩とともに明らかにされてきた双極性障害と脳の関連性とは

しかし、技術が進歩し、脳についてさらに詳細に検討することが可能になってきたことで、双極性障害と脳の様々な関係が明らかになってきました。最近の研究では、双極性障害を患っている人は感情のコントロールを司っている脳部位が委縮していることが分かってきています。

これからの研究に期待!

脳の委縮が即ち双極性障害の原因になっているのかどうかはこれからの研究結果を待つことになりますが、もしかしたら脳が委縮していることが双極性障害のリスク要因の一つとして捉えられるかもしれません。

他の精神疾患と同様に脳の神経伝達物質が双極性障害の症状に関与していた!

精神疾患を患っている人の多くが、脳の神経伝達物質の働きが乱れることで様々な症状が現れてくることが分かってきましたが、双極性障害の人も同様に健常者と比較すると脳の神経伝達物質がうまく機能していないことが明らかとなってきました。

脳の機能的な問題が一つの要因

脳自体に異変があるという分けではなく、脳が上手く働いていないことが双極性障害の一つの要因になっている可能性が高いようです。

脳が器質的に変化したり、脳機能が正常に働かないのはどうしてだろう?

双極性障害の人の脳が器質的に変化してしまったり、脳機能が正常に機能しなくなったりすることが双極性障害の一因のようです。それではこれらの変化はどのように生じているのでしょうか?

双極性障害には遺伝子が関与している?遺伝的要素とは?

脳を器質的に変化させたり、脳機能を上手く働かせないようにすることで双極性障害の発症に繋がっている要素の一つに、遺伝子の要素が挙げられています。今までの研究で双極性障害に遺伝子が関与していることが分かってきました。

一卵性双生児研究

遺伝的に完全に一致していると言われている一卵性双生児と、遺伝的には一致していない二卵性双生児の双極性障害の発症パターンを研究することで、遺伝子がどの程度双極性障害の発症に関与しているのかを明らかにしようとする研究があります。

もし遺伝子が双極性障害に関連していなければ、一卵性双生児と二卵性双生児の発症率は等しくなるはずです。

遺伝的要素の関与が確認された

研究の結果、双生児の片方が双極性障害を発症している場合に、もう片方も双極性障害を発症する確率は、一卵性双生児の方が二卵性双生児よりも優位に高い値となっていました。これより、双極性障害の原因には遺伝子が関与していることが確認されたのです。

100%の一致ではない

しかし、一卵性双生児の片方が双極性障害になった場合に、必ずもう片方の双生児が双極性障害を発症するかと言えばそうではありませんでした。一致率が100%ではないということは、遺伝だけで双極性障害になるかどうかが決まるわけではないということになります。

環境が影響している?!双極性障害の2つ目の原因になる環境的要素とは?

脳を器質的に変化させたり、脳機能を上手く働かせないようにすることで双極性障害の発症に繋がっている2つ目の要素として環境の要因が考えられます。遺伝子だけで双極性障害の発症が決定されているわけではないのは、育ってきた環境に違いがあったからです。

ストレスが大きな要因

双極性障害のきっかけとなる環境的な要素の一つに、慢性的なストレスや、幼少期の養育環境が関与している可能性があることが指摘されていますが、具体的なことはまだ分かっていません。しかし、環境が一つの要素であることは間違いないようです。

双極性障害の原因となる3つ目の要素とは?個人の特徴が関与していた?!

もう一つ双極性障害の原因として考えられる要素に、個人の性格特性が挙げられます。例えば同じストレスを受けたとしても、ストレスを受け流せないような性格の人や、感情コントロールがうまくできない人は、精神的な負担が大きくなり双極性障害のリスクが高まるでしょう。

うつから始まる双極性障害

双極性障害はうつ病から始まることが多いと言われている疾患でもあります。そのため、前向きに考えることが出来なかったり、まじめすぎる性格の人なども双極性障害になりやすいリスクを背負っている可能性があります。

まとめ:様々な要素が複雑に絡み合って双極性障害の発症につながっている

双極性障害はここで紹介したような様々な要因が複雑に絡み合い、脳に何らかの方法で影響を及ぼすことで発症に至っている疾患です。遺伝的に発症のリスクがあっても、個人特性や環境の要因によっては発症しない可能性もあります。具体的な原因はまだ特定されておらず、これからの研究成果が期待されています。

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