メンタルの病気は患者の話の内容を医師の経験と照らし合わせて判断することが多く、レントゲンや血液検査といった誰の目で見てもわかるような数値を出すことができません。診断基準はありますが、医師の主観が入るため、似ている病気だと誤診を受けることもあります。

それでは、双極性障害と誤診されやすい、あるいは双極性障害であるのに誤診されやすい病気にはどのようなものがあるのでしょうか。代表的な5つの病気を見ていきましょう。

一番誤診が多い!うつ病(大うつ病)とは?

うつ状態が持続する病気!

双極性障害の患者は、躁状態のときには自覚がないため、うつ状態の時に病院にかかることが多いと言われています。そのため、うつ状態の患者を診て「うつ病(大うつ病)」だと診断されることが多いのです。

しかし、双極性障害のうつ状態はうつ病の治療薬である抗うつ薬で躁状態に変化しやすいため、抗うつ薬での治療は適していません。うつ状態から躁状態へと変化したのを見て、うつ病から双極性障害と病名が変化するケースが多いです。

幻覚や気分の平坦化が出る!統合失調症とは?

統合失調症の症状とは?

統合失調症は陽性症状と陰性症状からなる病気です。陽性症状は興奮し、起こりやすく、妄想が起きる状態です。それに対して陰性症状は気分が平坦化し、考えがまとまらず、行動ができない状態です。

陽性症状が躁状態に、陰性症状がうつ状態に酷似していることから、鑑別が難しいケースがあります。しかしながら、双極性障害は「気分の障害」であるのに対し、統合失調症は「思考の障害」です。また、双極性障害は躁状態とうつ状態がはっきりと別れることが多いのに対し、統合失調症は同時に現れます。

抗精神病薬が効く!

統合失調症は抗精神病薬で治療します。しかしながら、統合失調症の治療薬として開発された抗精神病薬が双極性障害にも効果的であると分かり、双極性障害の治療薬として認証された例もあります。また、双極性障害の治療薬として認証されていなくても、躁状態を抑えるのに抗精神病薬が使われるケースは多いです。

抗精神病薬は脳内のドーパミンをコントロールする薬です。その薬が双極性障害にも効果的であり、また、原因遺伝子の一部が共通していることから、双極性障害と統合失調症は関係性のある病気だと見る研究者もいます

激しい気分の波が現れる!境界性パーソナリティ障害とは?

気分の波や衝動性が起こる!

境界性パーソナリティ障害は激しい気分の変動と、それにかかわる人間関係のトラブルが起こる病気です。双極性障害の躁状態とうつ状態のように入れ替わる激しい気分の波や、躁状態で起きやすい人間関係のトラブルが境界性パーソナリティ障害に酷似していることから、誤診を受けやすい病気です。

しかし、双極性障害と境界性パーソナリティ障害が合併率の高い病気です。双極性障害1型の30パーセントの人が境界性パーソナリティ障害を合併しているという研究結果もあります。

自殺行為も!

双極性障害と境界性パーソナリティ障害はどちらも自殺率が非常に高い病気です。気分の波に翻弄され、人間関係のトラブルから親しい人を失うことにより、心の支えがどんどん減っていきます。孤独や自己嫌悪に悩み、命を絶つ人が後を絶ちません。

行政機関が生活をサポートするために介入することもできます。悩み事があれば一人で抱え込むことをせず、まずは友人や医師、カウンセラーに相談してください。

誇大妄想が起こる!自己愛性パーソナリティ障害とは?

躁のような誇大妄想が起こる!

自己愛性パーソナリティは躁状態の誇大妄想のように、誇大化した自己を抱えている精神疾患です。しかしながらその誇大的自己は非常にもろく、思い通りにいかなかったことにより無価値感を感じることになります。その変動は双極性障害の躁状態とうつ状態のように映ることもあります。

双極性障害は通常躁状態、うつ状態は一月ほど継続しますが、自己愛性パーソナリティではそれほどの期間一定の症状が持続することはまれです。しかし、双極性障害の急速交代型と間違われることが多いため注意が必要です

脳の仕組みが原因!ADHDとは?

発達障害の一種!

ADHDとは注意欠陥・多動性障害で、発達障害の一種になります。発達障害とは、生まれつき脳が通常の人(健常者)とは違う働き方をするために発達の遅れや特定のことがうまくできないといった生きづらさを感じる原因になる障害です。しかしながら、特定の分野においては非常に優秀な結果を残すこともあり、芸術家などの著名人にもおおくいると言われています。

ADHDの特徴としておこりっぽいというのがありますが、その症状が双極性障害の躁状態だとみられることもあります。ADHDの患者の10パーセント以上が双極性障害を併発しているという報告もあり、併発が多い病気と言えるでしょう。

まとめ

双極性障害などの精神疾患は、数値など目に見える物での判断が難しいため、誤診を受けやすい傾向があります。今回紹介したうつ病、統合失調症、境界性パーソナリティ障害、自己愛性パーソナリティ障害、ADHD以外の病名だと誤診されることもあります。

もしも現在の病名が本当に正しいかと不安に思ったら、主治医以外の医師に話を聞くセカンドオピニオンを実地しても良いでしょう。不安を一人で抱え込まずに、まずは相談してください。

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