双極性障害と発達障害。その2つの精神疾患は全く異なる疾患のように見えますが、実際の臨床での様子を見てみると類似点も多くあります。この記事ではそれぞれの疾患についての簡単な説明と、その類似点・相違点についてまとめてみました。

世の中に多い?発達障害とはいったいどのような障害なのか?

昨今の社会には発達障害と言う言葉がかなり広く浸透してきているように思われますが、発達障害を簡単に定義すると「得意なことと不得意なことの差が大きくて、社会生活に弊害が出てしまう状態」であることを指しています。

具体的には、自閉性スペクトラムや注意欠如/多動性障害、学習障害などがこの一群に含まれています。

自閉症スペクトラム

以前はアスペルガー障害や自閉症と呼ばれていた障害が、自閉性スペクトラムとしてひとくくりにされています。特徴としては、言葉によるコミュニケーションの苦手さ、周りの状況を見て適切な行動を取ることの苦手さ、こだわり行動等が挙げられています。

興味関心があることには没頭し何時間でも取り組んでいたり、臨機応変に対応することが難しくてパニックになりやすいという特徴もあります。

注意欠如/多動性障害

AD/HDと呼ばれる障害ですが、一つの事に集中したり、その集中力を維持することが出来ません。目に入ったものに興味や関心が移ってしまって、取り組んでいたことを途中で投げ出してしまったり、立ち歩いてはいけないところで動き出してしまうなどの特徴があります。

発達障害と似ている?双極性障害の特徴とは?

一方で双極性障害とは、脳の神経伝達物質の乱れによって生じると言われている障害です。発達障害とは全く異なる疾患であり、気分が高揚して活動的になる「躁状態」と、意欲が低下して抑うつ気分が強くなる「抑うつ状態」の2つのフェーズがあると言われています。

躁状態

躁状態とは普段のその人の様子からはかけ離れたくらい活動的になる状態のことを指します。急に色々なアイデアを思いつき、それを形にせずにはいられません。

自分には色々なことが出来ると思って、後先考えずに高い買い物をしたり、複数の相手と性的な関係を持ってしまったりします。衝動性が高まり、その状態が病気であることにも気が付きにくいと言われています。

抑うつ状態

一方抑うつ状態は、意欲が低下しやる気が起きない状態です。躁状態の時の自分を振り返り、どうしてあんなことをしてしまったんだろうと罪悪感を抱えることも多く、普段の生活で当たり前のようにやっていたことが出来なくなります。食欲も低下し睡眠のリズムも乱れていくこともあるようです。

どこが似ているの?双極性障害と発達障害の類似点とは?

双極性障害と発達障害は全く異なる疾患なのですが、その症状には一見似ているように思われる特徴があります。それはどのようなポイントでしょうか?

どちらの疾患にも目立っているのは衝動性の高さ!

一つ目の類似点は衝動性の高さです。発達障害の中のAD/HDと呼ばれる疾患は、注意力を維持することが困難であるため、一つのことをやっていても別のことが頭の中に浮かぶと、前やっていたことを忘れて次の事に取り掛かってしまう事もあります。

周りから見ていると、焦ったように色々なことに手を出したり、落ち着きがないように見えることもあるでしょう。双極性障害の躁状態でも、同じように次々にエネルギッシュに取り組むことがあります。衝動性が高く、焦燥感も強く、注意力や集中力を維持することが困難になります。

見分け方のポイント

双極性障害か発達障害化の見分け方は、刺激を除去した時であっても衝動性の高さが保たれているのかどうかで見分けることが出来ます。

発達障害は外部からの刺激によって衝動的に行動してしまう事が多いのですが、双極性障害の場合は自分の内部からの刺激によって衝動的に行動しています。そのため、周りの刺激を取り払った時に衝動性が収まる場合は、発達障害である可能性が高いと考えられます。

思い込みの激しさや、人の話を取り入れることの難しさも共通している

二つ目の類似点は思い込みの強さです。発達障害の人は不安が強く、自分が「こうだ」と考えたことを変更することが苦手です。そのため、周りがいくら説得しても自分がこうだと思った時にその考えにこだわってしまって、変更が難しいことがあります。

同じように双極性障害の人も自分が「出来る」と思ったら現実的に考えて実現不可能であることであっても「大丈夫だ」と聞く耳を持てなくなることがあります。このように自分の意見に固執してしまうところも類似点の1つです。

見分け方のポイント

双極性障害の人は「自己誇大感」といって、自己に対して色々なことが出来るスーパーマンの様に感じることが多いと言われています。そのためこだわるポイントが自己の能力や仕事の量など、自分を高く評価する内容である時は双極性障害の可能性が高いでしょう。

一方で発達障害の場合は、自分のやり方や考え方にこだわることが多く、その内容は多岐にわたっています。

双極性障害だけじゃない!発達障害も抑うつ状態に陥ることがある

発達障害を抱えている人は成功する体験を重ねにくくなっており、色々なことでとても傷つきながら成長をしている人が多いようです。そのため自尊感情が低く、上手く行かないと思った時には抑うつ状態に陥ることもあります。

双極性障害も疾患の特徴として抑うつ状態に陥ることが多いことが分かっており、抑うつ状態に陥る可能性があることが類似点の1つとなっています。

見分け方のポイント

一番の見分けるポイントは、速いサイクルで躁状態と抑うつ状態が入れ替わっているのかどうかというところです。発達障害の場合は気分の切り替えが苦手であり、うつ状態を引きずってしまう事もあります。

また、発達障害を抱えた状態で抑うつ的になっている人は、被害的な考えが基になっていることが多く、自分の価値を低く評価している場合が多いようです。一方双極性障害の場合は全般的に意欲が低下し、その理由も漠然としていることが多くなっています。

実際の現場では、見分け方のポイントでは見分けがつかないこともある

しかし、中には見分けをつけることが難しい臨床像もあります。そのため、疑わしい場合は専門家による経過観察と判断が必要になります。専門機関を受診し、見極めることが重要です。

まとめ:似ているけれど違う!発達障害と双極性障害

発達障害と双極性障害の症状は、似ているけれども異なるものがいくつかあります。その見極めには、状態を観察してその変化を基に見極める方法しかありません。そして双極性障害は治療が必要です。適切な治療を受けるために、専門家の判断を仰ぎましょう。

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