うつ病との鑑別が難しいと言われている双極性障害は、適切な診断を行うことがとても大切であると言われています。

しかし、双極性障害の器質的な原因はまだ分かっていません。そんな中、双極性障害の診断の一助とされている検査は存在しています。

実際の場面ではどのような検査を用いてどのような方法で診断が行われているのでしょうか?

双極性障害を断定できる検査がない?どうやって診断をしているの?

双極性障害は古くから認められている疾患であるにもかかわらず、脳内でどのような変化が生じて発症しているのかはまだ分かっていません。そのため、この数値がこの値になったら双極性障害であるとか、この検査でこういった結果が出たら双極性障害だと断定することは出来ないのです。

一体どうなっているの?双極性障害の診断方法とは?

うつ病であると診断されている人の10人に1人は双極性障害であったと言うデータがあるくらい、双極性障害は目立ちにくかったり診断が難しかったりする疾患であると言われています。そのため一番大切なことは問診による「現状の確認」「経過の観察」、「他の原因の除去」です。

現状の確認

双極性障害の多くの患者さんは始めうつ状態を訴えていらっしゃることが多くあります。そのため、本人が困っているエピソードの中に、軽躁状態・あるいは躁的な状態が無いのかを問診でチェックしながら進めていきます。特に症状がどのように推移して行っているのかについて丁寧に確認をします。

経過の観察

もしかしたら躁状態・軽躁状態がまだ生じていないだけかもしれません。長い時間をかけて治療を継続しながら躁的なエピソードが生じるのかどうかを話の中で丁寧に追っていく必要があります。

他の原因の除去

双極性障害と同じような症状を示す可能性として、アルコール依存症や薬物による影響が考えられます。そのため、アルコールの飲酒量を確認したり、薬物の既往歴について確認することがとても大切になります。

診断の助けになる!様々な心理検査とは?

双極性障害の診断を断定することはできませんが、心理検査によって補助的に双極性障害の可能性を示唆することはできます。これらの心理検査は熟練した臨床心理士によって正確に行われなければなりません。心理検査には、知能検査、認知検査、人格検査の3種類の検査がありますが、双極性障害の診断に使用されることが多いのは人格検査です。

人格検査

人格検査とは、その人のPersonalityの部分がどのようになっているのかを明らかにする検査です。双極性障害は感情の不安定さがメインとなる疾患であるため、人格検査によって分かることがあります。

人格検査には様々な検査がありますが、双極性障害の診断に使用することが出来る検査は、人格検査の中の投映法と呼ばれる一群の検査になります。

ロールシャッハテスト

代表的な投映法検査はロールシャッハテストと呼ばれる検査です。これは図版を見て何に見えるのかを答える検査ですが、たくさんの情報を知ることが出来ます。

総合的に判断するのでこの数値が出たから双極性障害と言うことはできませんが、テストの回答の仕方や回答の内容のなかに感情の不安定さ、抑うつ状態、衝動性などの双極性障害の特徴を見ることが出来ます。他の精神疾患との鑑別にも使用することが出来る検査です。

バウムテスト

樹木画テストとも呼ばれている検査です。用紙に自由に樹木画を描きますが、その樹木は自己像を表していると言われています。その描き方や描いた樹木の様子から躁状態やうつ状態の特徴を見てとることが出来ます。

海外では質問紙による心理検査も実施されている

海外では、MoodDisorderQuestionnaire(MDQ)やBipolarSpectrumDiagnosticScale(BSDS)といった自己記入式の質問紙が開発され、高い信頼性と妥当性が検証されています。

しかし、これらの質問紙はまだ日本には浸透しておらず、信頼性や妥当性が確認されていない段階です。これらの信頼性や妥当性が確立されれば、自己診断がより確実に出来るようになります。

SCTテスト

これは双極性障害に特化した検査ではありませんが、文章の続きを記述してもらう検査です。例えば「私は」に続く文章を考えてもらうなどの内容があります。この中で、例えば「私は何でもできる」とか「私はこの世からいなくなった方が良い」などの文章が見られた場合は、躁状態や抑うつ状態を示唆していると考えられ、様々な疾患を鑑別する一つの手がかりとなっている検査です。

具体的な数値で双極性障害を診断する試みも行われている!

こちらも補助的な検査にはなりますが、光トポグラフィー検査があります。これは脳活動に伴う?脳?質の?中ヘモグロビン濃度変化を計測し、前頭葉の?流量の変化パターンをグラフ化するものです。

精神疾患ごとに変化パターンに違いがあることが分かっており、双極性障害の形に近いのかどうかを見ることで判断材料の一助となります。

まとめ:問診と様々な検査を組み合わせて双極性障害は診断されている!

双極性障害は、問診による詳細な現状の確認、アルコール等の使用歴の除去、経過観察を中心に診断され、心理検査等の検査はあくまで補助として使われています。これらの検査を組み合わせて複合的に判断していくのが精神疾患の診断です。

そのためには熟練した臨床心理士を必要としているので、心理士がしっかりと在籍しているような病院を選択して診断してもらうことが大切になって来るでしょう。

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