双極性障害は、躁状態及び軽躁状態に、抑うつ状態が伴うことが多い病相を示す感情障害の1つです。

躁状態と抑うつ状態を繰り返すことが多いと言うことで知られていますが、その治療としては投薬治療が中心となります。一体臨床現場ではどのような治療が行われているのでしょうか?

双極性障害の経過はどうなっていくの?実際の症状について

双極性障害の多くは、うつ状態がきっかけであると言われています。意欲の低下や興味や集中力の減退など、うつ状態が見られていたかと思ったら、突然別人のように気分が高揚し自分に対して自信があるかのような言動を繰り返し、活動的になる。

しかししばらくするとまた抑うつ状態になり、自分の事を責め始める。この一連の流れが繰り返されていく疾患です。完治までは長く、気分が高揚したり落ち込んだりする波を繰り返しながら、少しずつその波を小さくしていくイメージで治療が行われます。

様々な効能を期待して!双極性障害に効果があると言われている薬とは?

双極性障害に効果があると言われている薬は大きく分けると「気分安定薬」と「抗精神病薬」の2つになります。気分安定薬とは、その名の通り気持ちを落ち着かせる薬です。

そして近年統合失調症など精神病と言われている疾患のためのお薬が双極性障害にも効果が期待できることが分かってきました。

気持ちの波を小さくしていこう!気分安定薬とは?

双極性障害は感情障害の一つに分類されており、感情の不安定さが主な症状となっています。その不安定さを抑えてくれるのが気分安定薬です。その多くは抗てんかん薬として使用されていたものですが、中枢神経に働きかけ神経の興奮を鎮めたり、体に抑制を掛けるような働きを促したりして感情の高ぶりを落ち着かせてくれます。

代表的な気分安定薬としては、リーマス(炭酸リチウム)、デパケン(バルプロ酸ナトリウム、ラミクタール(ラモトリギン)、テグレトール(カルバマゼピン)が挙げられます。

リーマス

古くから使用されている薬で、躁状態を落ち着かせる、抑うつ状態を改善する、将来的に生じる可能性がある気分の波を抑制する働きがあり、大変万能な薬です。

衝動性にも効果的であり、双極性障害の人に多いと言われている自殺のリスクを低減する効果も認められています。炭酸リチウムが主な成分であり、リチウム中毒の副作用が生じる可能性もあるため、医師の指示を守ることが大切になります。

デパケン

こちらも古くからあるお薬ですが、躁状態を落ち着かせ、将来的に生じる可能性がある気分の波を抑制する役割が期待されます。抑うつ状態に対しては効果が薄いと言われています。薬の形が選択することが出来るので、飲みやすく続けやすいことが特徴的です。

ラミクタール

ラミクタールは再発の予防と抑うつ状態の改善に強い力を発揮するお薬です。躁状態にはあまり効果が認められていませんが、双極性障害の病相のうち、ほとんどが抑うつ状態であることや、後に述べる理由で抗うつ薬が単剤で使用しにくいことを考えると大変便利な薬の1つとなっています。

テグレトール

抗てんかん薬の1つであるテグレトールは、躁状態の改善に強い効果を期待することが出来ます。しかし、副作用が出やすい薬の1つのため、医師をよく相談をしながら用量用法を遵守することが大切になります。

双極性障害にも効果が認められた!抗精神病薬とは?

双極性障害と精神病と言われると全く異なる病気のように感じられるかもしれませんが、実は脳内の神経伝達物質の役割には類似点があることが分かっています。抗精神病薬の中には双極性障害の症状を抑える効果が期待できる薬があり、実際の現場では治療薬の1つとして使用されています。

ジプレキサ

ジプレキサは不安を落ち着かせ、抑うつ状態を改善する作用がある薬ですが、統合失調症の陽性症状にも陰性症状にも効果がある薬です。同じように双極性障害に関しても、躁状態の改善と、抑うつ状態の改善の両方の症状に効果があると言われています。

セロクエル

セロクエルもまた、不安を抑え、抑うつ症状を改善してくれる作用を持つ薬です。統合失調症の陽性症状・陰性症状にともに作用すると言われており、双極性障害の躁状態にも抑うつ状態にも効果が期待できるお薬です。

エビリファイ

エビリファイも統合失調症の症状に効果が期待される薬ですが、特に陽性症状を落ち着かせる効果が高いと言われています。そのため躁状態を落ち着かせる際に使用される薬です。一方で、抑うつ状態にも効果があることが分かっており高い汎用性を持っています。

注意が必要!抑うつ状態に効果があると言われる抗うつ薬の弊害とは?

症状だけを見るとうつ病の抑うつ状態と双極性障害の抑うつ状態は同じような状態であるかのように見えるかもしれませんが、脳内では異なる作用が働いています。

そのため、それぞれの疾患は別の薬で治療が施されますが、ここで注意が必要です。双極性障害に抗うつ薬を使用すると、神経伝達物質の兼ね合いで躁状態が悪化する可能性があることが指摘されています。

そのため、抑うつ状態がメインの場合は少し様子を見て投薬治療を開始し、双極性障害ではないことを確認したり、少量の抗うつ薬から開始して大きな影響を及ぼさないようにすることがとても大切になります。

まとめ:医師の指示を守って適切な投薬治療を実施していこう

双極性障害は適切なお薬を飲んでしっかりと治療を行っていく疾患です。そのため、もしかしたら双極性障害かもしれないなと思った時は医師の指示を遵守してこれらの薬を内服し治療に当たりましょう。

自分が病気であることに気が付かない人も多いため、周りの人で病院の受診を勧めて行ってあげることもとても大切になります。早期治療によって早期の回復が望めるため、積極的に治療を行っていきましょう。

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