精神障害の診断と統計マニュアル(DSM-5)を見てみると、双極性障害として記述されている疾患には双極Ⅰ型障害と、双極Ⅱ型障害の2つに分けられています。

双極性障害という言葉より、躁うつ病という言葉の方がなじみがある言葉かもしれませんが、「躁うつ病」として私たちが想定する症状は、実は「双極Ⅱ型障害」のことを指しています。今回の記事では、双極Ⅱ型の症状と、Ⅰ型との違いについてまとめていきたいと思います。

躁うつ病という言葉から私たちが連想する症状とは?

躁うつ病と言われると私たちは、急にテンションが高くなったかと思ったら、突然抑うつ的にテンションが下がってしまう状態のことを想像すると思いますが、まさにこの症状が「双極Ⅱ型」の症状となっています

前触れもなく、突然自信家になったかと思ったら、その時のことを忘れてしまったように急に落ち込み始める双極Ⅱ型とはいったいどのような症状なのでしょうか?

双極Ⅱ型障害の具体的な症状とは、どのような症状なんだろう?

精神障害の診断と統計マニュアル(DSM-5)によれば、双極Ⅱ型障害と診断する際には2つの症状を満たしている必要があるとされています。それが「軽躁状態」と「抑うつ状態」のエピソードを併発していることです。

軽躁状態っていったいどのような状態のことを指のか?

精神障害の診断と統計マニュアル(DSM-5)では、軽躁病エピソードとして以下のような定義がなされています。

軽躁病エピソードA:気分の高揚状態

気分が通常では見られないくらい昂って、その状態が継続します。感情のコントロールが出来なくなり、怒りやすくなることもあります。いつもの状態からは考えられないくらい活動的になる状態が少なくとも4日間、毎日のように続いていきます。その状態は1日の大半を占めています。

軽躁病エピソードB:普段との変化

以下に示す症状のうち3つ以上が持続していて、明らかに普段と違います。自分に対する自信が強くなる、眠らなくても平気になる、いつもよりおしゃべりになる。

考えをまとめることが出来ない、一つの事に集中することが出来ない、突然目標を立ててその通りに行動しようとする、困ること(衝動的な買い物、性行動など)に熱中してしまいます。

軽躁エピソードC:明らかに変化がある

本人の状態の変化が、いつものその人の様子から考えると明らかに違っています。

軽躁病エピソードD:周りから見ても分かる

本人の状態が変わっていることが、周りの人から見ても明らかにわかる状態です。

軽躁病エピソードE:日常生活は破たんしていない

本人の様子は普段と違うけれど、そのせいで働けないとか、日常生活が破綻しているというほどではないし、入院が必要なレベルでもありません。

軽躁病エピソードF:他に原因がない

覚せい剤などの薬物を濫用や、アルコールの多飲、強い薬を飲んで副作用として出ている等、他の原因が思い当たりません。

抑うつ状態っていったいどのような状態のことを指すんだろう?

一方で、双極Ⅱ型で必須となっている抑うつ状態とはどのような状態を指すのでしょうか?

抑うつエピソードA:抑うつ症状

以下の症状の中で5つが2週間以内に生じた場合、抑うつ状態であると判断されます。毎日の抑うつ気分、活動に対する興味の減退、ダイエットをしていないのに体重が急激に減少/増加する。

睡眠障害、焦燥感、疲労感、集中して考えることの困難さ、自分が無価値であるかのように思う状態、自殺について考える。

抑うつエピソードB:社会生活への影響

抑うつエピソードAの症状で、毎日が苦痛だったり、仕事や学校や家事などの生活に影響が出ています。

抑うつエピソードC:他に原因がない

覚せい剤などの薬物を濫用や、アルコールの多飲、強い薬を飲んで副作用として出ている等、他の原因が思い当たりません。

これらの症状が全部あるの?双極Ⅱ型障害はどのように診断されるのか?

双極Ⅱ型障害はここで紹介したすべての症状が出ている必要はありません。軽躁病エピソードと、抑うつエピソードの少なくとも一つの症状が現れていることで双極Ⅱ型障害であると診断されます。

また、双極Ⅰ型障害は躁状態の出現によって診断される疾患ですが、躁状態のエピソードがあると、双極Ⅱ型障害ではなく、双極Ⅰ型障害であると判断されます。そのため、躁状態のエピソードが今まで1回もなかったことも考慮されます。

一体どう違うの?躁状態と軽躁状態のエピソードの違いとは?

双極Ⅰ型障害と双極Ⅱ型障害の違いは、躁状態のエピソードがあるのか、それとも軽躁状態のエピソードで収まっているのかの違いになります

躁状態とは、気分の高揚が少なくとも1週間以上持続し、そのために仕事に行けないとか、買い物をしすぎて破産してしまったなど、生活が破綻してしまう状態になると診断されます。自分自身や他人を傷つけないために、入院が必要だと周りから判断されるレベルも、躁状態を表しています。

まとめ:気分が不安定であるかのように感じた場合は、医療機関を受診しよう

双極Ⅱ型障害は気分の波が不安定になることが特徴的です。その入れ代わりは、1日の中で頻繁に入れ替わることもあります。軽躁状態の時はもしかしたら自分が軽躁状態であることに気がついていないかもしれません。

そんな時は周りの人で専門機関の受診を勧めてあげることが大切です。双極Ⅱ型障害は投薬治療の対象になります。適切な治療を受けて早めの回復を目指していきましょう。

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