双極性障害は、診察時のうつ症状のみを見てしまう事で、うつ病と誤診されてしまい、発見が遅れる事が多くあります。病状が悪化や長期化をしてしまいやすく、そのため就業が困難となり、生活が苦しくなってしまう場合があります。

そのような場合は、国が費用面での支援を行っている障害年金を利用するのがよいでしょう。今回は障害年金の概要および双極性障害における受給について説明します。

障害年金はいろいろある?区分と等級を理解しよう!

障害年金は障害基礎年金と障害厚生年金にわかれ、それぞれ等級があります。障害基礎年金と障害厚生年金の違い、等級の違いについて説明します。

障害基礎年金

障害基礎年金は、国民年金から支出されるものです。そのため、障害の原因となった病気や怪我について初めて診察を受けた日(初診日)に、国民年金に加入しており、一定の納付条件を満たしている事が支給の条件です。

その病気や怪我が、障害等級表による障害の状態にある間は、障害基礎年金が支給されます。障害基礎年金は、その障害の程度により1級と2級に区分されています。

障害厚生年金

国民年金から支給される障害基礎年金に対し、障害厚生年金は、厚生年金から支出されるものです。そのため、障害の原因となった病気や怪我について初めて診察を受けた日に、厚生年金に加入していることが支給の条件です。

障害厚生年金は、その障害の程度により1級〜3級に区分されています。
障害基礎年金の1級と2級に該当する障害の状態になってしまった場合、障害基礎年金に上乗せして同じ等級の障害厚生年金が支給されます。

また障害の程度が2級に該当しない場合は3級の障害厚生年金が支給されます。障害基礎年金は3級がなく、障害厚生年金のみとなります。

初診日より5年以内に病気や怪我が治り、障害厚生年金で記されている障害程度より軽いものが残った場合には、障害手当金が支給されます。

障害基礎年金と障害厚生年金の支給額は?

障害年金は種別と等級により、支給額に差があります。それぞれの違いおよび、支給額の概要について説明します。

障害基礎年金の支給額

障害基礎年金の支給額については、以下となります。(平成28年4月1日時点)

  • 障害基礎年金1級:780,100円×1.25(=975,125円)+子の加算
  • 障害基礎年金2級:780,100円+子の加算

子の加算については、第1子および第2子はそれぞれ224,500円ずつとなり、第3子以降はそれぞれ74,800円ずつが追加されます。

障害厚生年金の支給額

障害厚生年金の支給額は、報酬月額や厚生年金の加入期間に応じて報酬比例が算出され、等級や配偶者の有無で加算されるしくみとなります。(平成28年4月1日時点)

  • 障害厚生年金1級:(報酬比例の年金額)×1.25+(配偶者の加給年金額)
  • 障害厚生年金2級:(報酬比例の年金額)+(配偶者の加給年金額)
  • 障害厚生年金3級:(報酬比例の年金額)(最低保障額:585,100円)

障害年金の支払日と支払方法や更新時期は?

障害年金は隔月10日(土日祝日の場合はその前日)に受給者が指定する銀行口座に現金で振り込まれます。なお初回支払については、初診日に遡って現在までの金額が振り込まれます。更新時期は、申請時の内容により、1年から5年の間でまちまちとなります。

実は簡単?障害年金の申請から承認まで!

障害年金の申請については、やり方が難しいのではないかと捉えられがちですが、実はそれほど難しくなく、現在病状があまり安定しない方でも、かかりつけの医師と市町村役場または年金事務所に一度ないしは二度行くことで、申請は完了します。

以下に障害年金の申請から承認までの一連の流れを説明します。

障害年金の申請

障害年金の申請については、以下の書類を準備の上、障害基礎年金の場合は住民票のある市区町村役場の窓口、初診日が国民年金第3号被保険者期間中の場合は年金事務所に提出します。障害厚生年金の場合は、お近くの年金事務所に提出します。

  • 年金手帳
  • 戸籍抄本(記載事項証明書)(謄本添付の場合不要)
  • 医師の診断書(所定の様式あり)
  • 受診状況等証明書(初診時と現在の医療機関が異なる場合)
  • 病歴・就労状況等申立書
  • 受取先金融機関の通帳等
  • 印鑑(認印可)

このうち、医師の診断書は現在かかりつけの医療機関で書いてもらいます。受診状況
等証明書は、必要であればかかりつけの医療機関に相談するとよいでしょう。病歴・就労状況等申立書は可能な限りご自身で、または家族とご一緒に、覚えている限りを書いてください。

書類を揃ったら、市町村役場の窓口か年金事務所に提出するのですが、もし書類の不備があったとしても、しっかりとやさしく教えていただけます。障害年金を担当されるかたはたいていお優しいので、安心して訪問してください。

障害年金の承認

申請書類が受理された後、障害年金が承認され等級が告知されるには、3ヶ月から6ヶ月程の時間がかかります。少々長い期間がかかりますが、気長にお待ちください。連絡は申請書類に記載した住所に郵送で届きます。

気楽にゆこう!障害年金申請のポイント

障害年金を申請する前に、自分は障害年金の該当者にあたるのだろうか、申請しても承認されないのではないだろうかと悩まれ、申請書類も面倒だと思い込み、申請を行わない方々がいらっしゃいます。しかし受給のハードルは、皆さんが考えているより低いのです。障害年金の受給における(小さな)ハードルについて以下に記します。

主治医の考えを確認する

障害年金の申請書類を集め始める前に、まずは主治医に相談しましょう。あなたがいま長期間会社を休職し無給の状態か、就業していない状態で、生活に何らかの支援が必要で生活資金に困窮している旨を伝える事で、ほとんどの主治医には理解してもらえます。

診断書の病名が違う

主治医に同意いただいて、診断書を書いていただくのですが、書き終わった診断書には「双極性障害」ではなく「うつ病」と書かれていることがあります。気になる方は不審に思われるでしょうが、あまり気になさらないでください。

主治医は「病名」ではなく「病状」を診ています。あなたが双極性障害であったとしても、あなたがまず治療しないとならないのはうつ状態の病状かもしれません。主治医の先生は、あなたの病状の本質をとらえているのかもしれません。

日常生活が送れていても

日常生活が送れていて、就業をしていても、障害年金が支給される場合もでてきています。平成28年9月に発表された「精神の障害に係るガイドライン」では、日常生活が送れていたり、就業ができたりしていても、それが家族や職場など周囲の配慮と支援で成り立っている場合は、病状が治まり自立してはいないとしています。

定期的に躁(または軽躁)と鬱の波が来る双極性障害では、波の合間でどうしても活動しづらくなる時期が発生してしまいます。今回のガイドラインは、心の中で歯を食いしばって頑張っている当事者の方々や一生懸命支援している周囲の方々への助けになると同時に、障害年金受給の敷居が一つ低くなったといえます。

社会保険労務士による障害年金の申請代行

最近ネットでよく見かけるのが、社会保険労務士による、障害年金の申請代行のホームページです。体調が悪くて申請が困難な当事者の方々に代わって申請を代行する代わりに着手金と成果報酬を求めるやり方です。

はっきり言って、このような方々に申請代行をお願いするべきではありません。申請書類はそれほど難しいものではありません。主治医やカウンセラー、市町村役場や年金事務所の担当の方に聴きながら作成すれば、すぐに完成します。

もし体調が悪く、動けないし考えられないという時には、家族や親戚の方々にお願いしてもよいでしょう。そして動ける日に作業してゆく形で、十分対応できます。

気軽に障害年金を申請しましょう!

長期化してしまう双極性障害の当事者の方々は、どうしても生活面で苦しくなってしまう場合があります。それを支援してくれるのが障害年金です。障害年金は皆さんが考えているより簡単に申請ができて、昨今は精神障害に関する認定の敷居も下がってきています。

お金が病気を治すわけではありませんが、生活が苦しいという悩みは少し軽くなります。もしあなたが当事者でしたら、ぜひ障害年金の受給を考えていただけたら幸いです。

双極性障害の辛さから解放されたいあなたへ

「鬱」と「躁」の悪循環から独力で脱出する「プチ認知療法」

認知療法で双極性障害を克服した人は多くいます。なぜなら、認知療法で自分の考え方を変えることで鬱と躁をコントロールすることが可能だからです。ですが、認知療法を実践するのは簡単ではありません。そこで、認知療法の専門家が作成したDVDを見るだけで実践が出来るプチ認知療法があります。それを実践すると、認知療法を気軽に実践することが出来、結果として、うつを克服することが出来ます。