双極性障害になると、気分が高ぶる躁状態や気分が落ち込むうつ状態になっても、いずれ症状は治まり、何ごともなかったかのように生活できる時期がやってきます。ただし、治療をしなかった場合は、しばらく経つとまた再発します。

そのような病気であるため、深刻に捉えられない傾向がありますが、再発の間隔はだんだん短くなっていく傾向があるので、放置は禁物です。

双極性障害の現状

年齢別・男女別発症頻度

うつ病は、男性の10人に1人、女性の5人に1人くらいが一生に一度は経験するといわれる身近な病気ですが、双極性障害は、およそ100人に1人程度といわれる病気です。

この病気を発症する年齢は、中学生から高齢者までさまざまですが、平均すると30歳くらいです。双極性障害の男女別比は、うつ病と違い、男女の差がほとんどありません。

病気の特徴

双極性障害は、気分が高ぶる躁状態と、気分が落ち込むうつ状態が、交代で起こる病気ですが、躁状態もうつ状態も治まっているときは、何の症状もありません。この状態のときは、健康な人と変わらないのが特徴です。

双極性障害のうつ状態では、うつ病と同じ症状が見られますが、双極性障害とうつ病では、治療に使う薬が異なるので注意が必要です。

どちらの症状から始まるか

双極性障害の原因は解明されていませんが、患者さんの脳の中では、神経伝達物質のバランスの崩れがあると考えられています。発症する際、躁とうつのどちらの状態から始まるかは人それぞれと考えられていますが、初めて医療機関を受診するきっかけは、うつ状態の苦しさからである場合が多いといわれます。

発症のきっかけと頻度

初めて発症するときは、就職、転籍や異動、結婚、肉親の死、出産など、人間関係のストレスをきっかけに起きることが多いとされます。

いったん発症すると、適切な再発予防をしない限り、症状の出現が1回だけで終わることは少なく、多くは特別なストレスがなくてもいずれ再発します

最初の再発までは5年前後であることが多いとされますが、その後、再発を繰り返しているうちに、症状が現れるまでの間隔がだんだん短くなっていく傾向が見られます。

うつ病と双極性障害

双極性障害では、症状が出始めたころにうつ病と診断され、のちに双極性障害と診断される例が多く見られます。その場合、最初の診断時はうつ状態で、その後双極性障害に変わる場合と、最初から双極性障害であったのに、正しい診断がなされずにうつ病と診断されるケースの両方があると考えられます。

いずれにしても、診断までに長い年月がかかることが多い病気です。

正しい診断が必要なわけ

双極性障害は、放置していて自然に治る病気ではありません。治療せずに放っておくと、再発を繰り返し、ときに年に4回以上も躁とうつを繰り返す状態になることがあります。

双極性障害では、躁やうつが治まっている期間は何の症状もなくなりますが、躁状態からうつ状態へ、あるいはうつ状態から躁状態へ変わるときなどに、躁とうつの症状が混ざって出てくる混合状態が出ることもあります。

さまざまな病相や病態がありますが、早期に正しい診断を受け、適切な薬でコントロールすれば、再発を予防し、家庭でも職場でもこれまで通りの生活を送ることが可能です。

そのためには、何をおいてもまず精神科で正しい診断を受ける必要があります。

知っておきたい双極性障害の特性

躁状態もうつ状態も治まっていて症状が何もない状態のときは重病には見えませんが、双極性障害には次のような特性があるため、精神科医の診断に基づく適切な治療が不可欠です。

  • 1.急に重い病相に変化することがある
  • 2.うつ状態のときに抗うつ薬を使っても反応しない
  • 3.自殺率が高い
  • 4.障害の程度が重く罹病期間が長い

二つのタイプに分類される双極性障害

双極性障害は、うつ状態と躁状態という二つの正反対の病相が見られますが、躁状態が起こる双極I型障害、軽躁状態が起こる双極II型障害という二つのタイプに分類されています。

双極Ⅰ型障害を発症したとき

双極Ⅰ型障害の躁状態では、気分が高揚し、あまり眠らずに休むことなく行動します。仕事や勉強で新しいことを次々と始めますが、集中力に欠けて気が変わりやすく、まとまったものを仕上げることはできません。

高額な買い物や性的逸脱行為により、それまでの人間関係が壊れ、社会的信用が失われることもあります。さらに躁がひどくなると、「自分には超能力がある」といった誇大妄想をもつこともあります。

家族が病院へ行くよう勧めても、本人はいつもより調子がよいと感じていて病気と認めません。初めての躁状態では、多くの場合入院が必要です。

双極Ⅰ型障害の症状が出ている期間

たとえ大きなトラブルを起こしていても、自分の異常さに気づくことがない躁状態は、突然始まって急速に進み、治療せずにほうっておくと2~3か月くらい続きます。

双極Ⅰ型障害では、症状がない期間は全体の5割以上、うつ状態で過ごす期間がおよそ3割、躁状態・軽躁状態および混合状態で過ごす期間が1~2割といわれます。

双極II型障害を発症したとき

双極II型障害の軽躁状態では、ハイになっている印象を受けるものの、あまり眠らなくても上機嫌で活発に動き、人づきあいを盛んにする程度ですから、社会生活に支障が出るほどではありません。

ただ、家族や以前から知っている人の目から見ると、いつもと違って少し行き過ぎているとわかります。その状態で治療せずにほうっておくと、いずれうつ状態が訪れます。

双極II型障害の症状が出ている期間

双極II型障害の軽躁状態は非常に短い一方、うつ状態は長く、6か月以上続くこともまれではありません。

躁・軽躁状態に気づいたら医療機関へ

躁・軽躁状態、うつ状態は、時間がたてばいずれ治まっていきますが、たった1回の躁状態だったとしても、そのまま放置すると、再発し、離婚や失職など社会生活に重大な影響を及ぼす可能性があります

家族や身近な人の躁状態ないしは軽躁状態の症状に気づいたら、まずは、医療機関につなぐことが第一です

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認知療法で双極性障害を克服した人は多くいます。なぜなら、認知療法で自分の考え方を変えることで鬱と躁をコントロールすることが可能だからです。ですが、認知療法を実践するのは簡単ではありません。そこで、認知療法の専門家が作成したDVDを見るだけで実践が出来るプチ認知療法があります。それを実践すると、認知療法を気軽に実践することが出来、結果として、うつを克服することが出来ます。